ネガティブと自己満足が蔓延し、現状維持、不平不満、疲れ果てた社員だらけの会社をどう変えれば良いか。企業にイノベーションの文化をもたらす教育に携わっている著者が、会社を変えるシンプルな方法を紹介。ダメな会社は一度つぶすこと!
■重要なのは文化
一般的にイノベーションで苦労している組織には、イノベーション精神を損なう行動習慣や企業文化が深く根を下ろしている。こうした企業を軌道修正するのに必要なのは、まず、その会社を「つぶして」しまう事である。
もちろん、実際に会社をつぶせという訳ではない。しかし、その会社がゾンビ会社になってしまっていたらどうだろう。ネガティブさと自己満足、この2大病が蔓延している会社。不平不満を抱き、疲れ果てた社員だらけの会社。プロセス、短期的収益、現状維持という泥沼の中で意志のないゾンビ社員が生息している会社。そんな常態であるなら、その会社は打ち砕かなくてはならない。
ほとんどの企業にとっての課題は、社員をもっとイノベーティブにする事ではない。口先だけでイノベーションを語るのはやめて、イノベーションが生まれ、実を結ぶような組織構造と文化を築く事である。
■ゾンビ・インクからシンク・インクへ
イノベーションを生み出し、実践するには、まず自分の会社を「ゾンビ・インク」(現状維持だけを追求する会社)から、「シンク・インク」(疑問、興味、責任感、創造的な問題解決、主体性を呼び起こし、奨励する会社)へと転換させなければならない。
大多数の企業、特にイノベーションに行き詰まっている企業は、ネガティブな文化か自己満足の文化のどちらかに属している。職場では官僚主義、社内的な駆け引き、形式主義ばかりが横行し懐疑主義が体質の中に染み込んでいる。ネガティブなのが悪いのは誰にでもわかる。だが、何より最悪なのは自己満足の文化である。そのような企業は働きやすい面もあり、現状に甘んじ、リスクには手を出そうとしない。だが、ある日突然、大きな問題に気づく時がくる。
■会社をつぶせ
エクササイズ「会社をつぶせ」は、最大限の可能性に到達しようとする企業にとって、偉大なるものに向けた最初のステップである。自分の会社をつぶしてはじめて、イノベーションを生み出し、さらには競合相手をつぶすキラーカンパニーへと変貌する事ができる。
「会社をつぶせ」は驚くほど効果を発揮する。その理由は、「われわれが競合相手を打ち破るにはどうすればいいのか」という通常の質問を逆転させて、「競合相手がわれわれを打ち破るにはどうすればいいのか」と逆の問いかけをする事にある。この問いかけによって、それまで目をそらしていた現実を受け入れざるを得なくなる。
著者 リサ・ボデル
フューチャーシンク社CEO ニューヨークを拠点とし、フォーチュン500社を中心にイノベーション関連の教育、リサーチを提供する研修会社futurethink社の創立者およびCEO。 ミシガン大学で経営学学位を取得後、シカゴの大手広告代理店レオ・バーネット社に勤務。その後、コンサルティング会社の起業等を経て、futurethink社を創立。数々の講演活動のほか、各種団体で委員を務め、イノベーションのソートリーダーとして新聞、雑誌、テレビなどにも登場。
帯 Yahoo!元副社長 セス・ゴーディン |
帯2 エグゼクティブ・コーチング マーシャル・ゴールドスミス |
帯3 ザッポスCEO トニー・シェイ |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.9 | 7分 | |
第一章 イノベーションは自分から | p.22 | 18分 | |
第二章 三つの企業文化 | p.50 | 21分 | |
第三章 会社をつぶせ | p.82 | 17分 | |
第四章 やることを減らし、多くのことを達成する | p.108 | 15分 | |
第五章 新時代に必要な能力 | p.132 | 22分 | |
第六章 考える組織の行動習慣 | p.165 | 19分 | |
第七章 イノベーションの実践 | p.194 | 17分 | |
結 論 会社をつぶせー未来への備え | p.220 | 5分 |
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