「部下とのコミュニケーションがうまくいかない」「部下が言う事を聞かない」「会社を辞められると困るから叱れない」
部下の育成に悩めるリーダーやマネジャーに向けて書かれた、叱られずに育った若者たちの育成方法です。
■叱りすぎて失敗する上司、叱れなくて悩む上司
以前は、叱責されたり、大声で怒鳴られたりする事も職場ではよくあった。「そうやって自分達は育成されてきた」という方達の言い分も理解できる。しかし、若い時代達の価値観や育った環境は、上司の時代とは大きく異なる。今の若い人達は叱られ慣れていない事もあり、叱責されると自分を否定されたと感じ、すぐに自信を失いがちである。また、スピードが求められる今の職場環境には、以前ほど余裕がなくなっており、叱責した後に上司が部下をフォローするといったコミュニケーションも少なくなっている。このような現状では、叱責するだけでは、若手を健全に育成する事はできない。
一方で、若い世代は「叱る」=「叱責する」と捉える事で、叱る事へのハードルが高くなっている。空気を読む事に長け、周囲と軋轢を起こしたくないと考える若い人達にとって、部下を叱責する事は容易な事ではない。
■「叱らない」でできる、部下を認めて伸ばす20のルール
①感情的にならず、事実だけを伝える
②改善要求は「私はこう感じている」といった表現で伝える
③人格を否定しない
④人と比較せずに伝える
⑤質問を投げかけ、自ら気づきを得るように導く
⑥目的や理由を繰り返し伝え、腹落ちさせる
⑦伝えた事を「部下の言葉」で表現させ、理解したかを確認する
⑧直接の利害関係のない、別の上司から客観的に伝えてもらう
⑨本題に入る前にクッションとなる枕詞をはさむ
⑩期待している事を伝える
⑪メールではなく、対面や電話で伝える
⑫注意する基準やルールを共有しておく
⑬日頃から自分の価値観を伝えておく
⑭小さな変化を見逃さず、こまめにフィードバックする
⑮1日3分、部下とコミュニケーションする
⑯挨拶する、目を合わせる、微笑むなど、肯定的な関わり方をする
⑰自分を褒める日記を書き、プラスのエネルギーを引き出す
⑱アフター5に誘えるほど距離を縮める
⑲日頃から部下に関心を持つ
⑳部下に責任があると考える「他責」から自責の意識に転換する
著者 叱りゼロプロジェクト
人材育成の現場で働く研修講師4人からなる集団 「叱責」のようなマイナスのコミュニケーションではなく、プラスの関わり方で人の能力を開発するを日々研究している。
帯 東レ経営研究所特別顧問 佐々木 常夫 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 3分 | |
序章 なぜ、うまく叱れない上司が増えているのか | p.15 | 5分 | |
1章 「叱る」ことにまつわる8つのジレンマ | p.25 | 12分 | |
2章 「叱る」をやめると部下がぐんぐん動き出す! | p.51 | 7分 | |
3章 「叱らない」からうまくいく! 3つの解決策 | p.67 | 12分 | |
4章 「叱らない」でできる! 部下を認めて伸ばす20のルール | p.93 | 29分 | |
おわりに | p.156 | 4分 | |
巻末資料 | p.165 | 6分 |