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2013/04/08更新

俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

  • 坂本 孝
  • 発刊:2013年4月
  • 総ページ数:240P

162分

8P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
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行列のできるお店はこう作れ!

行列の絶えない飲食店「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」はどのようにしてできたのか?ブックオフの創業者でもある著者が「競争優位性」の作り方を紹介。ブックオフ創業までの物語も収録された自伝的な1冊になっている。


■立ち飲み×星付きレストラン
ブックオフコーポレーションの会長を退任して、2年が過ぎた2009年に、ある人から焼き鳥屋の経営を勧められて、飲食業に入った。当初は「ものすごく難しい業界に入ってしまった」という気分だった。立ち上げた会社の一つのミッションが新規業態開発、そのポイントは、できるだけ息の長い業態をつくるために、人が考えていない事を考え出して、いかに早く飛び付く事ができるかという事だった。

超不景気だと言われる時代にもかかわらず、毎日毎晩ものすごく繁盛している業態は、立ち飲みの居酒屋、そして、ミシュランガイドの星付きレストラン。この社会現象に気付いた事が、最初の一歩だった。そこで閃いたのが「この2つをくっつけてしまえ!」だった。そして、誕生したのが「俺の◯◯」シリーズ。両方の勝ちパターンをくっつけているから、爆発しない訳がない。

超短要約

■2勝10敗の事業家人生
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は、ビジネス人生において13戦目の事業だ。これまでの12勝について振り返ると、勝敗は2勝10敗。そのうちの1勝が中古ピアノの販売で、もう1勝がブックオフである。ブックオフは12戦目だが、これ以前の事業展開には、様々な失敗があった。

社会人の第一歩は、家業の精麦工場だった。全農の下請けとして、畜産のための配合飼料工場で働いた。米国から輸入されるトウモロコシ、コーリャン、アワなどからなる飼料が入った30kgもの袋を担ぐ重労働の毎日だった。会社は「山梨くみあい飼料株式会社」となって続き、28歳当時は実質的な社長だった。しかし、経営が次第に安定してくると、農協関係の人がどんどん入ってくるようになり、経営の決定権を奪われ、会社組織はだんだん官僚化していった。そこで独立する決心をした。

最初に着手した事業は、オーディオ販売だった。山梨に500坪の土地を購入して、駐車場付きの大型オーディオショップ「ユアーズ」を1970年に開店した。ユアーズを開店してから3年間、事業を安定させるために手を尽くしたが倒産した。ユアーズへの来店客は多かったが、お客様はお店でいい音だけを聴いて機器を選んで、少しでも安い秋葉原で購入していた。倒産した頃、ダイエーが私の店で98000円のオーディオ商品を、仕入れ値より安い60000円ほどで売っていた。これを見た時、一巻の終わりだと思った。この失敗から「販売の仕方に革新的なものがなく、既存のお店と同じ技術で、同じようなものを売っていても駄目だ」という教訓を得た。

オーディオ販売で初戦敗退した後、たまたま出席した楽器屋さんの会合にヒントを得た。楽器屋さんのビジネスは、音楽教室の生徒の数によって成り立っている。そこで「音楽教室をやろう」と某メーカーに申し込んだが、山梨県は某楽器店が中心になっていて、卸値は9掛けだと言われた。それならばと中古ピアノの商売を始めた。すぐに全国の調律師に手紙を出して、ピアノを集めて、一斉セールをしたら当たった。

その後、1万坪の工場跡地を開発するというプロジェクトに参加した。その頃、偶然に横浜市港南台あたりを通った時、黒山の人だかりができているお店が目に止まった。コミック本がずらりと並んだ立ち読みできる古本屋だった。古本が「1000円」「500円」「100円」と分かりやすく並んでいて、定価の半額程度の古本が飛ぶように売れていた。

「よしっ、これだ!」中古ピアノで使った仕組みを古本に当てはめていけば、20〜30店舗くらいは簡単にいけると思った。1990年、35坪の中古書籍販売店を出した。これが「BOOK OFF」1号店である。

著者 坂本 孝

1940年生まれ。ブックオフコーポレーション 創業者 俺の株式会社 社長 オーディオ販売や中古ピアノ販売などいくつかの事業を経て、1990年「ブックオフ」を創業。16年間で1000店舗まで拡大し、書籍業界の流通に革命をもたらした。 2009年、VALUE CREATE株式会社を設立し、飲食業に参入。2011年、東京・新橋に「俺のイタリアン」をオープン。大繁盛店となり、その後、同様のコンセプトで「俺のフレンチ」や、和食バージョンを展開している。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.11 4分
第1章 空前の繁盛店、「俺のイタリアン」誕生 p.25 32分
第2章 2勝10敗の事業家人生 p.85 9分
第3章 ブックオフがNo.1企業になれた理由 p.101 11分
第4章 稲盛和夫氏の教えと、私の学び p.121 11分
第5章「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は進化する p.141 11分
第6章「物心両面の幸福を追求する」決意表明 p.161 17分
第7章 業界トップとなり、革新し続ける p.193 9分
おわりに p.210 3分

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