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2013/04/04更新

ヤバい経営学: 世界のビジネスで行われている不都合な真実

296分

9P

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流行りの経営手法がもたらすもの

目標管理、マトリックス組織、TQM、シックスシグマ、ISO9000。こういう施策の多くは、もはや見向きもされていない。一過性の流行りの経営施策だといえる。調査によれば、流行りの経営手法を導入した会社は、導入していない会社と比べて業績が良い訳ではなかった。

そこで、こうした経営手法を導入すると、企業の評判にどのように影響を与えるか調べた。すると、流行りの経営施策の導入が『フォーチュン』誌の「最も尊敬される企業」ランキングでの順位向上につながっていた。そして、流行りの経営手法は、経営者の報酬に大きな影響を与えていた。経営者が流行の経営手法を導入すると、経営者の報酬が増えていたのだ。

流行の経営手法には、あまり意味がない事が、何度も科学的に実証されている。しかし、こういった経営手法は、よく他社を真似して導入されている。

戦略は存在しないのか

「非常に革新的な戦略というものは、合理的なプロセス、もしくは経営トップの独断から生まれる事はない」という考えがある。

キューバーのフィデル・カストロは、ハバナでアメリカの通信衛星からの信号を受信する事でCNNを見ていた。その事をCNN創業者のテッド・ターナーに話した事がきっかけとなり、国内向けメディアだったCNNはグローバル企業を目指し始めた。サウスウエスト航空は、航空業界の競争激化の結果、飛行機を一機売却せざるをえなくなった。そして、かつて4台から3台で同じ路線を運航しなくてはいけなくなった事が、LCCというモデルを作り出した。

人は、徹底的な分析や革新的な思考プロセスの結果として戦略が生まれたというように説明したいのだ。「最善の戦略は、全く期待もしていないところから生まれてくる事もある」という事を受け入れれば、もっと幸運をつかめるかもしれない。

成功の罠

特定の分野で強みを持って成功している優良な会社でも、自信過剰になり、最終的に転落につながるような新しいリスクを見過ごしてしまったりする。優良企業の経営者は、環境の大きな変化への対応が、部分的なもので終わってしまう事が多い。これらの経営者は、代替案の検討にあまり時間を割かず、研究や分析も十分に行わず、外部に意見を求める事もしない。そのような状況では、経営者は今までのやり方を続ける事を選ぶケースが多い。

優れた機械式時計で知られるスイスの時計業界は、1970年代にクオーツ時計を発明したにもかかわらず、それを製品化しようとしなかった。日本や香港企業が安価なクオーツ時計で市場を席巻した時も、スイスの時計業界は瀕死の状態になるまで、変化を受け入れようとしなかったのだ。