「超並列」読書術
「超並列」読書術とは、1冊ずつ本を読み通す方法ではない。場所ごとに読む本を変え、1日の中で何冊もの本に目を通す読書法である。リビングや寝室、トイレの中など、ありとあらゆる場所に本を置いて、それぞれの場所でそれぞれの本を同時並行的に読んでいく。この方法なら、朝出かける前にリビングで1冊、通勤電車の中で1冊、昼休み、休憩時間、夕食後、夜眠る前、お風呂、トイレと、1日に10冊ぐらいの本に目を通せる。
同時に読むのは、なるべくバラバラのジャンルの本がいい。江戸時代の文化の本、物理学の最先端の本、屋久島のコケの本と三谷幸喜のエッセイというように、ぶっ飛んでいる方がいい。なぜなら、本のジャンルやテーマによって、刺激される脳の部位が異なるからだ。新しいアイデアは、そこから出てくる。他の人も探すだろうところから情報を集めてきたのでは、他の人が思いつくようなアイデアしか生み出せない。「超並列」読書術は「アイデアの力」を飛躍させる一番いい方法なのだ。
本は最後まで読む必要はない
1冊1冊すべての本を丁寧に読んでいたら、一生の内に読める本は何冊になるのだろう?人生は短い。自分にとって最後まで読む価値のある本はそれほど多くない。資料性の高い本は目次と気になった項目を2、3ページ読んでおしまい。文章が下手な本は、すぐに読むのをやめてしまう。
人の上に立つ人間になりたければ、まずはとにかくたくさんの本を読む事だ。そのためには、1冊1冊を丁寧に読み込んでいくのではなく、自分にとって必要な情報以外は読み捨てていくつもりで臨まなくてはならない。
情報への判断力を磨け
情報とは、ただ集めればいいものではない。情報を選り分けて自分にとって有利な情報を集めてこそ、情報収集といえるのである。より精度の高い情報を集めたいのなら、ちまたに溢れている情報を疑う頭を持っていなければならない。
情報を見極める力をつけるには、様々な本を読み、いろいろな場所に行き、多くの人の話を聞いて、とにかく多くの情報を集めるしかない。ネットに出回っている情報は玉石混交なので、要注意である。そこで有効になってくるのが「超並列」読書術である。
複数の本を並行して読む事で飽きない
並行してたくさん本を読むからこそ、集中力が高まり、内容がしっかりと頭に残る。短い間にその本の趣旨や世界観をつかもうとするので、必然的に集中力が高まる。同時に1冊しか読んでいなければ、構成上必要だが退屈な箇所に差し掛かった途端に飽きてしまう。だが、複数の本を並行して読んでいれば、1冊に飽きても、もう1冊は面白くなってきていたりする。常にいずれかの本がクライマックスを迎えているようにすれば、読書習慣が途絶える事もないだろう。