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2013/03/19更新

コピーキャット: 模倣者こそがイノベーションを起こす

239分

7P

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イノベーション×模倣=イモベーション

模倣者は、後発の強みを活かして、先発品の欠点から学んでいる。パイオニアはイノベーションに投資しなければならないが、模倣者はそうする必要がない。そのため、顧客の好みの変化に合わせてオリジナルに手を加える事もできるし、次世代気技術に一足飛びに進むアプローチをとる事もできる。模倣者は、改良を加えて生産性を向上させ、優れたものを格安な値段で顧客に提供できる有利なポジションにいる。

ウォルマート、IBM、アップル、P&G、GEなど、模倣者がイノベーターとしても知られているケースも多い。彼らは他社の優れた慣行を模倣して、高い技術力を持つライバルとの競争に打ち勝っているのだ。このような企業を「イモベーター」と呼ぶ。イモベーターは、模倣はイノベーションと相容れないものではなく、むしろイノベーションを補完するものだという事をわかっている。

イモベーターは、イノベーションを起こすべき時と、同質化するべき時を戦略的に判断する。また、戦略上の重要な分岐点でイノベーションと模倣を融合させている。イモベーターは、模倣した要素を自らの置かれている脈絡や状況に適応させ、そこに独創性を吹き込む。

模倣を成功させる秘訣

模倣の性質や結果は、大きく異なる。モデルを丸ごとコピーする企業もあれば、自らの置かれている環境に適応させる企業、オリジナルを改良する企業もある。敗者は、そのモデルがなぜ成功しているのかを説明する中身を解明できていない。

一方、成功した模倣者は、様々なやり方で対応づけ(極めて重要な要素を体系的に特定して構築する)の問題を解決している。模倣を成功させるには、企業は6つの能力を開発して、使いこなせるようにしなければならない。

①模倣の心構えを万全とする
模倣をイノベーションと同じように高く評価して奨励する文化や意識を作る。

②模倣対象を参照する
局所探索ではなく大域探索を行い、自分によく似た相手ではなく、意外なお手本を見つけ出す。その際には、失敗例や小さなプレイヤーを見落とさない。

③情報を探索し、標定し、選択する
環境を綿密にチェックし、体系的に詳しく調べ、正確に狙いを定める。

④対象の脈絡を理解し、自らに適用する
脈絡を理解するには、環境の外部性や特異性といった用語を捨て去り、地域や業界、企業が置かれている状況を個別具体的に考える。

⑤対象に深く潜り込む
物事の表面上の結果だけを見ず、原因と結果を精緻に分析できるようにする能力、文化、ルーティーンを構築する。

⑥模倣を実践する
実行する能力こそが模倣の鍵を握る。実践計画を立てる時には、模倣する側の組織の能力を考慮に入れる。