m‐floのラッパーVERBALが「相手の能力を引き出し、最高の成果を出すための仕事術」を紹介。音楽業界での自身の体験が豊富に語られています。
■フィーチャリングとは
「featuring(フィーチャリング)」とは一体どういうものか。例えば「A feat. B」という言葉は「Bさんをメインゲストに迎えた、Aさんの楽曲」という事を意味する。ヒップホップやR&Bの分野で生み出されたこの手法は、今では徐々に音楽シーン全体に広まった。
「loves」プロジェクトは、m-floというグループに固定的なメンバーとしてのボーカリストを置かず、毎回異なるゲストボーカルを迎えて曲を制作するという、当時としてはかなり画期的な試みとして始まった。
m-floは、2002年にボーカリストLISAが脱退。しかし、LISAの個性を超える歌い手が見つからなかった。そこで代わりに人を入れるのではなく、一曲一曲、相手の人を見つけて、その人の良いところを最大限に活かすような曲を作ろうという発想だった。
このフィーチャリングという作業の本質は、相手の特性・能力を引き出し、成果物の価値を最大化する方法と捉えている。そのために必要なのは、何よりも自分自身の力である。フィーチャリングのスキルを磨く事で、最終的には「自分自身の価値を最大化する」事も可能である。
フィーチャリングを実践してスキルを磨けば、コミュニケーション能力が上がる事はもちろん、他人とは一線を画した成果を生み出す事ができる。フィーチャリングの究極の目的は「自分自身をブランドにする」ということ。
フィーチャリングスキルを最終的には自分自身に向けて活用する。それによって自分が持っている特性を最大限に引き出し、周りの目から見ても、得意分野やキャラクターなどが際立つ。その結果「セルフブランディング」に成功する。セルフブランディングとは、自分の価値を最大化するための投資であり、この投資は惜しむべきではない。
■フィーチャリングスキル
・相手の「すごい」ところをあらかじめ調べ、敬意を抱いて相手に会う
・雑談から相手の様子や興味を探る
・自分のプライドよりも、相手との仕事の成果を優先する
・自分の直感を信用しすぎず、それを現実にするための方法を検証する
・目立っている人こそ、フィーチャリングの対象にする
・自分の地位や肩書きにこだわらず、誰でも平等に接する
・相手のやる気を引き出すには、機会を与えるなど具体的に評価している事を示す
・意固地にならず、自分の可能性を試してみる
・上から目線にならず下手にでる
・初めての飲みの誘いは断らない
・この人といい仕事がしたいというイメージを持ち、相手への苦手意識は取払う
・自らの得意分野を見極める
・ビジョンと具体策の2つを揃える
・自分の時間や都合をオープンにして、相手に合わせる
・「チャンスは貯金できない」と考え、機会を逃さない
・一番目立つ部分に気を遣い、相手への伝え方を変える
・積極的な思いや、誠意を示すためにどこまででも会いに行く
著者 VERBAL
1975年生まれ。ミュージシャン m-flo、MIC BANDITZ、TERIYAKI BOYZのメンバー。m-floとしての活動以外にも、フィーチャリングワーク、様々なユニットへの参加やプロデュース、DJなど多岐に渡って活動している。 音楽活動をする一方、本名の柳榮起として、AMBUSHR等のジュエリーブランドの運営を主とする「有限会社 柳」の代表取締役社長も務める。また、3Dマッピング等を専門とするクリエイティエージェンシー「WHATiF」の設立メンバーでもある。
帯3 EXILE HIRO |
帯 サイバーエージェント代表取締役 藤田 晋 |
帯2 ルイ・ヴィトン ジャパン プレジデント&CEO フレデリック・グランジェ |
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2013年 04月号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 2分 | |
第1章 フィーチャリング3つの極意 | p.13 | 8分 | |
第2章 フィーチャリングスキル初級―対同僚・部下・後輩編 | p.31 | 15分 | |
第3章 フィーチャリングスキル中級―対上司・先輩編 | p.65 | 16分 | |
第4章 フィーチャリングスキル上級―対ゲスト・クライアント編 | p.101 | 15分 | |
第5章 超フィーチャリングメソッド―対組織・状況・自分編 | p.135 | 10分 | |
第6章 フィーチャリングで起こす奇跡の仕事 | p.157 | 9分 | |
おわりに | p.177 | 2分 |