セブン・イレブンの人気商品「おにぎり」が、どのように開発されているのかを徹底して解説しています。1冊読めば、おにぎりを買ってみようかという気分になります。
■米にこだわる
セブン・イレブンのおにぎりの販売数は、弁当、惣菜、調理パンなど、よく売れるカテゴリーの中でもトップである。全国で一日400万個以上売れている。それは、おにぎりがコンビニという業態によくマッチしていて、ソウルフードでもあるからに違いない。さらに、セブン・イレブン自身、おにぎりを看板商品として捉え、商品開発はもちろん、商品力アップに渾身のチカラを注いでいるからである。
おにぎりはシンプルな食品で、材料は基本的に、ご飯、具材、海苔、塩だけ。その中でも、ご飯がおにぎり全体の美味しさを決定づけると言っていい。ご飯が美味しくないと、すべての具材が美味しくても、すべてまずいという烙印を押されてしまう。そのため、セブン・イレブンでは、特にご飯の美味しさにチカラを注いでいる。
おにぎりに使用されるのは、国内産ですべて新米。中でも等級の高い米を選んでいる。精米は低圧精米機に限定、さらに米の破砕率が高くないかを抜き取り検査している。精米してからは、3日以内に工場へ入れている。
■セブン・イレブンのおにぎりが1日400万個売れる理由
・米や具材にこだわり、常に美味しさを追求し改善している
・ベンダーを育成し、機械や設備を改良し、新しい製法を生み出している
・1店舗あたり2社購買の方法で、ベンダーを競わせレベルを向上させている
・おにぎり専用工場をドミナント方式で配置し、鮮度輸送管理を徹底している
・手づくりのおにぎりの味を求め、おにぎり専門店から学んでいる
・マーチャンダイザーが全国を飛び回り、商品力や企画力を磨いている
・鈴木会長が妥協を許さない
・顧客のニーズをPOSで分析している
著者 国友 隆一
1941年生まれ。ベストサービス研究センター代表 専門紙記者などを経て1990年、株式会社ベストサービス研究センターを設立。ビジネスの現場で生じている課題をどう解決すべきか、論理的、かつ具体的に提案することで知られる。現在は、執筆・講演・コンサルティングほか、公開セミナーも主催。
週刊 ダイヤモンド 2013年 3/9号 [雑誌] 紀伊國屋書店和書仕入本部係長 水上 紗央里 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 2分 | |
1章 「もうこれが限界」という限界を何度も突破! | p.13 | 21分 | |
2章 消費者の前に、聖域は一切、存在しない | p.55 | 23分 | |
3章 「商品力を高める」ために徹底していること | p.101 | 15分 | |
4章 「定番商品」ほど常にレベルアップを目指す | p.131 | 20分 | |
5章 お客さまのニーズをどう見極めるか? | p.171 | 25分 | |
6章 ドキュメント 東日本大震災とおにぎり | p.221 | 11分 |