リーダーとは正しいと思う事を始める人
「やり過ぎる力」とは「リーダーシップ」の発揮にほかならず、この「やり過ぎる力」を使って何かを実行に移す人こそが、真の「リーダー」である。では、リーダーとはどういう事をする人だろうか。
リーダーと対極の概念にマネジャーがある。マネジャーとは「物事を円滑に進める人」であり、リーダーは、それとは真逆に「軋轢を恐れずに変革する人」を指す。リーダーとは、最初から集団を率いている人の事を指す訳ではない。当初は一人で皆とは違う主張をし、前例や既存のルールを超えて、変革に向けたアクションを取り始める。孤独だったリーダーは「正しいと信じること」を愚直に貫く中で、結果として皆の理解や協力を得て、多数を率いる事になるのだ。
リーダーシップという英語は、「指導力」と訳される事が多い。しかし、使用する漢字は「始動力」がふさわしい。時代や状況を見定めつつも、タイミングを逃さずに一人でも歩み進める覚悟。いかに「始動」するか。この力こそが、真のリーダーシップである。
どうしたら一歩を踏み出せるのか
「やり過ぎる力」を発揮するには、3つのコツと3つの意識が重要である。
・3つのコツ
①「オカシイ」と思う事に声を上げる
「自分が本当にやりたいこと」というのは、実はなかなか見つからない。心からやりたいことがなければ「やり過ぎる力」を発揮する事は難しい。そこでまず何か社会や組織のあり方を「オカシイ」と思う事から始める。そして、人間として生を受けたからには、社会に対して何か貢献すべしという考え方を持つ。
②みんなでアクションする
考えを同じくする者同士が連携して動けば、困難さが軽減され、一歩を踏み出す事が容易になる。
③周囲の信用を蓄積して一歩踏み出す絶好の機会を待つ
目の前の仕事をきちんとこなして信頼を勝ち得るなど、周囲に対して信用を蓄積しておけば、前例やルールを乗り越えるような事をやっても、「賛成できないまでも、理解はしてあげたい」という人が必ず現れる。
・3つの意識
①死への意識
人間いずれは死ぬという事を常日頃から強く意識し、いかに人生を輝かせるかを考える。
②後世への意識
後世に何を遺すかという事を考える。
③自分への意識
自分の本質・考えとは何であるのかを不断に探求していく。
大局観を養え
「やり過ぎる力」をつけるためには「リーダーシップ」について、様々な理論を学び、同時に大局観を養う事が大切である。大局観によって、未来を遠くまで見渡せれば、確信を持って「やり過ぎる」事ができる。
大局観を持つには、歴史と世界を学ぶ事である。特に伝記を学ぶ事が重要。その際には、感情移入し、問いを発する事で、自分なりの答えを出そうと考え抜く事が必要である。