経済産業省の官僚時代に「霞ヶ関改革」を唱えてきた著者が、閉塞感の漂う日本にとって必要なリーダーシップとは何かを語っています。ステレオタイプな方向性で単に頑張るだけでは駄目だと説き、個々人が前例や常識を超えていく力を身に付ける事の大切さとその方法を紹介しています。
■現在の日本には「やり過ぎる力」が必要
混迷の時代において、前例や横並び、これまでの常識にとらわれて単に「頑張る」という事には、あまり意味がない。他者がやっている事を横目に見ながら、恐る恐る「チャレンジ」らしき事をするレベルでなく、これまでの常識を打ち破る形で何かを「やり過ぎる力」が必要である。
最近の若い世代は自己研鑽に対する意識が高く、勉強会やスクール通いを通じて物事にチャレンジしていると言われる。しかし、ステレオタイプな「英語頑張ります」「IT関連の起業をします」というレベルのチャレンジだけでは、自分自身や日本社会を取り巻く閉塞感を打破する事は不可能だ。「やり過ぎる力」の本質は、前例や横並び至上主義を突破し、新たな伝統を創ること。日本再生に必要なのは、チャレンジを超えた個々人の「やり過ぎる力」である。
リーダーはポジションではない。物事を変える勇気をもって突き進む人の事である。そういう人が少ない社会に希望はない。他人から反感を買うくらいに「やり過ぎる」事が、閉塞した社会を変えるにはちょうどよい。
「やり過ぎる力」をつけるためには、「リーダーシップ」について、先人たちが書き残している様々な理論を学び、同時に大局観を養う事が大切である。大局観を持つには、歴史と世界を学ぶこと。その際に、感情移入し、問いを発して自分なりに考えることが大切である。
さらに学んだら、実践すること。自分が信じる方向に向けて「まずやってみる」ことが鍵となる。
著者 朝比奈 一郎
1973年生まれ。青山社中株式会社 筆頭代表CEO 経済産業省でエネルギー政策、インフラ輸出政策などを担当。アジア等の新興国へのインフラ・システム輸出では省内で中心的役割を果たす。小泉内閣では内閣官房に出向。特殊法人・独立行政法人改革に携わる。 2003年に「プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)」を立ち上げ。2005年に霞ヶ関改革案を出版し、以来、小泉内閣、第1次安倍内閣、鳩山内閣要人等に対して改革案を直訴。一部実現。2009年にNPO法人化。 経済産業省を2010年に退職し、青山社中株式会社を設立。「世界に誇れ、世界で戦える日本」のための人材・政策・組織を創る活動を行っている。 中央大学(公共政策研究科)客員教授、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。
週刊 ダイヤモンド 2013年 3/16号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
「やり過ぎる人」が少ない社会=現在の日本 | p.3 | 13分 | |
第一章 感動の隣には常に「やり過ぎ」がある | p.33 | 16分 | |
第二章 やり過ぎなければ、社会は活性化しない | p.63 | 24分 | |
第三章 真の「やり過ぎ」を目指して | p.107 | 10分 | |
第四章 真のリーダーシップとは「やり過ぎる力」のことである | p.125 | 12分 | |
第五章 どうしたら、「やり過ぎ」のための一歩を踏み出せるのか | p.149 | 19分 | |
第六章 やり過ぎるために何を学ぶか | p.184 | 10分 | |
第七章 実践しなければ始まらない | p.203 | 7分 | |
あとがき | p.216 | 5分 |
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