車両選びのポイント
余計なトラブル、不快な状況を避けるためには、電車に乗る前から予防線を張る必要がある。
①安全性
電車同士の衝突、自動車との接触事故などを考え、先頭車両と2両目は避ける。できれば最後尾と後ろから2両目も避けた方がいい。
②快適性
利用する路線・車両のエアコン事情を把握し、ベストポジションを意識する。
・夏
清涼な空気の泉を求め、天井に設置されているエアコンの風が当たる場所を確保。一般的には車両の中央部あたりになる。しかし、日差しが強く当たる箇所は、その効果も半減するため、日の当たらない位置を確認しておく。
・冬
夏のエアコンと違い、暖房の温風は座席の下から供給されるので、なるべく座席の近くに立つ。車両連結部付近は乗降用ドアから離れていて、かつ暖気がほどよく滞留するので快適。
さらに、悪天候の際には「風雨が吹き込むドア付近には立たない」ことが原則。屋根のある場所に停車する車両には乗客が集中するので、そこは避けたい。
③即時性
悪天候以外の通常時は、時間や歩行距離の効率化を図り、下車駅の改札口、乗り換え階段付近に乗車する。
満員電車の乗車法
満員の車内に体をねじ込む方法は、「拠点の設置」「体勢の回復」「空間の確保」の3ステップで構成される。それぞれの動作では、無用なトラブルを避けるため、他の乗客に気配りが必要である。
①拠点の設置
乗車するドアに背中を向け、かかとから車内に足を踏み入れる。首を90度振り、先に乗っている乗客の位置と安全を確認する。この時、腰を周囲の人の太腿の高さくらいまで落としておくと成功率が高まる。
②体勢の回復
後ろ向きで乗車したら、次に自分のスペースを無理なく確保。足を上げてしまうと他の乗客の足が入ってしまうので、すり足で安定する場所を探す。
③空間の確保
体全体を押し込むのは、発車のベルが鳴り、ドアが閉まる寸前でよい。閉まるドアを利用し、中に押し込むように背中から入っていく。その際、「自分も苦しいのだ」という表情を浮かべ、他の乗客に「仲間意識」を抱かせ、不快感の芽を摘む。
スマートな着席の仕方
①空間の幅を確認する
空いている席を見つけた際には、まず自分の体格とその座席の空きスペースが合うかどうかを確認する。
②両隣の乗客の服の裾をずらす
隣のスーツやジャケットの裾がなければ座れるという場合には、自分のお尻を撫でるように手を膝裏に滑らせ、さりげなく指で裾をずらす。
③失礼しますの一言を
スペースがギリギリであればあるほど、無事に着席できたら小声で「失礼します」の一言を。両隣にようやく聞こえる程度が目安。その後、重心が左右にブレないよう体勢を整える。