今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2013/02/25更新

ソーシャル時代の ブランドコミュニティ戦略

186分

3P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な
アマゾン詳細ページへ

「モノ」から「コト」、そして「ヒト」へ

ブランド価値創造は、製品による差別化から、ユーザー体験の価値を通じた差別化によって行われるようになった。さらに、今日の差別化競争は、体験の主体としてのユーザーの生み出す価値が主軸になってきている。個人が情報や価値を生み出す力を持ち、ネットワークを通じて共有する中心となり、ブランドはそのサポーターとなる。こうした変化の中では、マーケティング・メッセージも企業主語から顧客主語への転換を進めていく必要がある。

ブランド価値はコミュニティを構築できるかが鍵となる

コカ・コーラやナイキ、ユニクロなど先進ブランド企業の取り組みは、すでにイメージや体験づくりを超えて、製品やサービス体験の仕組みをソーシャル化し、顧客が参加しながら課題解決や自己表現、目標達成を一緒に行っていく活動に進化してきている。この事はユーザーにとって、製品・サービス購入を超えた、より大きな付加価値を生み出しており、ブランドとの絆もより深いものになっている。

その時、ブランドが果たしている機能は、単にロゴや広告で創られるイメージとしてではなく、むしろ共通の価値観や目的のもとに、従業員やファン、サポーターが集うコミュニティ・プラットフォームとして表現するのがふさわしい。

コラボレーションの価値がますます重要になってくる時代の新しいブランドコミュニティ戦略のあり方は、セールス、カスタマーサポート、社会的活動など、企業内資源を超えた価値創造のリソースを、顧客やサポーターなどを巻き込んで外部に拡大していく事である。これからの時代は、企業の外部にこうしたコミュニティ資源を持てるかが、企業やブランドの差別化の重要な鍵となっていく。

「動詞のブランディング」へ

製品にイメージで付加価値をつけて、顧客を惹き付ける従来型のマーケティング手段を「形容詞のブランディング」と呼ぶ。対して、今日のブランド構築活動は、ブランドの価値観を支持するユーザーやファンを形成し、ユーザー自身の課題解決や目標達成の「アクション」を支援しながらコンテンツや体験を共有し、ユーザー主導で価値や評判を広げていくというものだ。こうした新しいアプローチを「動詞のブランディング」と呼ぶ。

ここでの価値提供の中核は、製品ではなくコミュニティである。ブランドが顧客とのコミュニティ・プラットフォームとして機能し、コラボレーションを通じて価値を生み出すには、ブランドの意味する価値自体も進化しなければならない。そこでは、企業主語ではなく、生活者が共感でき、自ら行動したい、活動に参加したいと思えるような、共有価値を再構築する事が鍵になる。ユーザーが共感して参加したいと思える行動をどのように生み出すかを考える事が、これからのブランディングには重要なのだ。