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2013/02/18更新

統計学が最強の学問である

  • 西内 啓
  • 発刊:2013年1月
  • 総ページ数:320P

279分

21P

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統計学の時代

教育学に限らず、心理学にせよ、社会学にせよ、自然科学にせよ、仮説を検証しようとすれば、統計学の知識を用いて適切なデータを取り、解析する事は避ける事ができない。

望むと望まざるとにかかわらず、ほとんどすべての学問に関わる学者は統計学を使わざるを得ない時代がすでに訪れているし、統計リテラシーさえあれば、自分の経験と勘以上の何かを自分の人生に活かす事が簡単になる。

データをビジネスに使うための3つの問い

データ分析において重要なのは、「果たしてその解析はかけたコスト以上の利益を自社にもたらすような判断につながるのだろうか?」という視点だ。すなわち「ビジネスにおける具体的な行動に繋がるか」である。そのためには、次の3つの問いに答えられなければならない。

①何かの要因が変化すれば利益は向上するのか?
②そうした変化を起こすような行動は実際に可能なのか?
③変化を起こす行動が可能だとしてそのコストは利益を上回るのか?

誰かに依頼しようとしている分析が、この3つの問いに答えられるものでなければ、精度やスピードと言う以前にそもそもやるだけムダである。「何となくわかった気になる」という以上の価値はない。

データ分析におけるポイント

無意味な分析はこの世に溢れている。しかし、「十分なデータ」をもとに「適切な比較」を行う、という統計的因果推論の基礎さえ身につければ、経験や勘を超えてビジネスを飛躍させるワザが見つかる。

①適切な比較を行うこと
「目指すゴールを達成したもの」と「そうでないもの」の違いを比較する。ビジネスの場合、ゴールは「利益をあげること」だ。重要になるのは「ここから何かわからないか」という漠然とした問いではなく、そのようなデータのうち何が、どのような関係で利益と繋がっているのかである。

②ただの集計ではなく、その誤差とp値についても明らかにすること
単純な要因比較のためだけの集計では、ただの皮算用にしか過ぎない。計算に「誤差」が考慮されていないからである。「実際には何の差もないのに誤差や偶然によってたまたまデータのような差が生じる確率」の事をp値という。このp値が小さければ(慣習的には5%以下)、それに基づいて科学者達は「この結果は偶然得られたものとは考えにくい」と判断する。

③因果関係の向きを検証すること
2つの項目が統計学的に強い関連性を示しても、前者が後者の原因なのか、あるいは逆なのか、第三の要因が両者に影響を与えているのかわからない。この問題に対し、統計学は2つの解決法を持つ。
・「関連しそうな条件」を考え得る限り継続的に追跡調査し「フェアな比較」を行う
・データの取り方の時点で「フェアに条件を揃える」