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2013/03/02更新

間抜けの構造 (新潮新書)

123分

8P

  • 古典的
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間抜けとは

辞書を引くまでもなく、間抜けというのは「間の悪いやつ」のこと。間抜け、というのは、バカと似ているようで違う。バカはどんなタイミングであろうと、どのようなシチュエーションであろうとも関係ない。バカはバカ。けれど、間抜けは違う。「間」が悪い、「間」を外しちゃうのが間抜け。

つまりそれまでのお約束や文脈、状況といったものがわからずに踏み外しちゃうのが間抜けであって、裏を返せば、そこさえちゃんと押さえておけば、間抜けにはならない、かもしれない。

政治家を見ていると間抜けなやつが多い。

・鳩山由紀夫元首相
沖縄の米軍基地の移転問題で、「最低でも県外」なんて間の悪いこと言って、日米関係をこじらせちゃった。

・福田康夫元首相
総理の職を辞するという大事な場面で「あなたとは違うんです」と、そこで逆ギレしてどうする。

なんでこんなに間抜けな失言をするのかというと、自分がどういう立場にいる人間かがわかっていないからだ。自分を客観視する能力がないからこういう事になる。

芸能レポーターというのも間抜けが多い。現場で張り込んでいるレポーターが、車に乗り込んで立ち去ろうとしている渦中の芸能人に向かって大声で叫ぶ。「◯◯さんとの関係はどうなんですか!」そんな事を運転しているやつに言っても答える訳がない。車を止めてグーッと窓を開けて、「えー、彼女との関係は・・・」って言う訳ないだろう。

「間」を制するための技術

「間」が悪い人というのは、話をしている途中で息を吸っちゃう。息継ぎが下手なの。自分の頭の中で、「この話のどこで息継ぎをするか」を考えていない。息継ぎがスムーズじゃないと、話している内容が頭に入ってこないから損をする。

討論の時にどこで話に入っていくかというのは、縄跳びに入っていくタイミングを見極めるのと同じで、それが上手い人と下手な人がはっきり分かれる。上手い人は、相手が呼吸するタイミングで入ってくる。その呼吸の間合いを読むのが上手い。

いかに相手に気づかれないうちに自分の持っていきたい方向に持ってくるか。そのためには、堰止めるんじゃなくて、板みたいなのをすっと差し入れて流れを変えないといけない。

討論が上手くなる方法にはまだあって、ちょっと長めにしゃべりたいと思ったら、「私の言いたいことは2つあるんですよ」とやる。「3つあります」というと、「おまえ3つもしゃべるのか!」となるから、2つがいい。1つ目は短くし、「あ、こいつの話はすぐに終わるな」と周りを油断させておいてから、「2つ目」に、自分が本当に言いたい事を長めに主張する。