多くのアスリートやビジネスパーソンのメンタルトレーナーを務める著者が、やる気を出すための考え方を紹介。ポジティブシンキングとは正反対のアプローチで、結果を出す方法を解説している。
■「確実にできること」を目標とし「自己肯定感」を持つ
人には「いつかこのレベルを達成したい」という目標とは別に、「いま自分自身がこのレベルを満たしているならOK」と自己肯定感が持てる基準がある。それを「OKライン」と呼ぶ。
人はOKラインを達成している「手応え」があるから、難しい課題に挑んだり、自分を成長させるための努力ができる。逆に、自分が出した結果がOKラインを満たせなかったら、自分を否定し始める事になる。OKラインは「自分が確実にできること」に設定しておく事が大切である。
そもそもOKラインが自分のレベルを超えた高いところに設定されてしまうのは、周りが求めているものや、世の中で「こうあるべき」と思われているレベルに、無意識に影響されてしまうからである。他人が求める価値観や世間で言われているところに評価基準を合わせるのでなく、「自分にできた!」というステップを確実に歩む事で、私達は成長していく。
やる気を出すにはどうすればいいのか?
大切なことは、遠くにある目標の達成ではなく、「今の自分ができること」を積み上げることである。「できること」を積み上げてさえいけば、「自分にもできるんだ」という自己肯定感は高まり、モチベーションは確実に高まっていく。
「それをやれば誰かがスゴいと言う」とか、「人に自慢できる」という話ではない。「自分にもこういう事ならできるんだぞ」と実感する事が大切である。
著者 森川 陽太郎
1981年生まれ。株式会社リコレクト 代表 元サッカー選手として、スペインやイタリアでプレー。5度の手術と5年に渡るリハビリの末に引退。その後、心理学やメンタルトレーニングを学び、自身の経験を体系化。2008年、株式会社リコレクトを設立。 「OKラインメソッド」という、後ろ向きな気持ちのままでも結果を出すことができる独自の手法で、メンタルサポートサービスを展開している。 現在までにジェフユナイテッド市原・千葉レディース、FUGA SUMIDA などの多くの専属メンタルトレーナーを担当。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 3分 | |
第1章 向上心は「そこそこ」あれば成功できる | p.19 | 19分 | |
第2章 平常心じゃなくても大丈夫 | p.59 | 18分 | |
第3章 ポジティブシンキングをやめよう | p.97 | 19分 | |
第4章 「ラクをすることに対する罪悪感」を乗り越えよう | p.137 | 16分 | |
第5章 モチベーションをムリに上げるのはやめよう | p.169 | 19分 |