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2013/01/31更新

AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)

155分

4P

  • 古典的
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  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
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鮮度が落ちないのは、「未完成」だからである

AKB48の鮮度が落ちない最大の理由は、もともと進化することを前提に作っているからだと思います。最初から完成していたら、完成形から広がっていくのりしろがないじゃないですか。まだまだ未完成の部分が大きい高校野球みたいなもので、高校球児たちが内野安打でも一生懸命、全力で走るところを見せているわけです。

「ヘタ」でも「一生懸命やっている」ことが大切です。「えっ、AKBってこんなにヘタなの」でいい。バンドもので次のシングルを出したら「あ、前よりうまくなってるじゃん」と思われる。それがAKBなんです。

AKBはリナックスである

これまでは、商売をする側がコンテンツを独占することによって利益を得ていた。でも、今の時代に一人勝ちの構図はなかなか難しい。むしろ、AKBはリナックスのようにオープンソースにして、それぞれの専門家が「AKBはこう使えばいい」と工夫し、改良して広がっていくことが面白い。

AKBもいろんなシェフに料理してもらい、新しい魅力を引き出して欲しい。それにはどんな人とも組むということです。リナックスもAKBも、未完成のものをみんなで育てていく。優秀なクリエイターたちの力を借りない手はないと思うんです。

チャンスには順番がある

AKBのメンバー全員にチャンスが同時に回ってくるなんてことは、ありえない。チャンスは順番に回ってくる。いま真ん中にいる子もいれば、端っこにいる子もいるけど、ベランダに置いた鉢植えのように、光の当たり方は時間や季節によって違う。順番があるんだと。

どれがキラーコンテンツか、どれがヘソなのか、わからない。AKBのメンバーにも「歌も芝居も何でもできる人になりたいですっていうのは無理だ。一つに絞り込め。自分の中に、これだけはという武器を見つけなさい」と言っています。

刺さるコンテンツでなければダメなんだ

AKBを始める前に僕が考えていて、会議でも一番よく口にした言葉は、「刺さるコンテンツじゃなきゃダメなんだ」ということです。「認知」と「人気」は違うと。テレビは何千万もの人に認知させることができるけど、それは「あ、知ってる」というだけのこと。「この人のためなら行列してもいい」というのが人気で、そこまで刺さらなければダメなんだと。

テレビで有名になると、すぐ歌を出しましょう、写真集も出しましょうという話になるんだけど、全然売れない。なぜか?「認知」でしかないからですよ。テレビがもたらす膨大な情報量の中でただ「知っているよ」ではなく、「自分はこれが好きだ」と思う、刺さるコンテンツにならなければいけない。