仮説を立てて、工夫する
サッカーの日本代表の試合の日はビールが、通常の日と比べると110〜120%も売上が上がる。同様に亀田興毅選手のボクシングの世界タイトルマッチの日と巨人対日本ハムの日本シリーズ当日のビール販売量も15%以上上昇していた。
そこでビッグイベントの日には「今日はお家に帰ろう」キャンペーンを売り場で展開した。ビールだけでなく、スナック菓子や主婦向けに電子レンジメニューなどを提案した。さらにオリンピックやワールドカップでは「夜中でも大丈夫、胃にもたれない応援レシピ」を提案した。体験し、工夫し、考えることがお客様の豊かな食生活の実現に近づく。
商品コンセプトを明確にせよ
最近は商品のライフサイクルが非常に短くなってきている。売れる商品は販売日から1〜2週間でピークを迎え、その時にどれだけ在庫を確保しているかが重要となる。しかし、こうした短期のヒット商品はロングセラーにはならないケースがほとんど。早い段階で飽きられてしまう。
短期のヒット商品からロングセラーにならない理由の一つはコンセプトが十分ではないからである。「誰のために、どんな問題点を抱えている人のために、今世の中にある商品の物足りない点をこういう風に解消した」といった商品は、販売者側にとっても「売る知恵」を出しやすい。だから商品として生き残る。
「誰に喜んでもらうか」を考える時には、みんなに好かれようとせず、特定のターゲットの人には絶対に喜んでもらえる商品開発、品揃えをする事が重要である。
ex.「ヘルシア」「暴君ハバネロ」「汗拭きシート」「プレミアムモルツ」
お客様視点で考えよ
商品開発では、お客様が実際に食べるシチュエーションで同じような体感をしなければならない。失敗パターンは次の通り。
・「動物アイス」(野菜果汁などを使った健康にも配慮したコンセプト)
アイスクリームを食べて健康になりたいとは思わないという結果に。
・濃厚でクリーミーな「冷凍グラタン」
食べていくにつれて、濃厚感がだんだんヘビーに感じられ、最初しか売れず。
・「カレーヨーグルト」(手軽に朝食で栄養補給できるコンセプト)
味の想像もつかない商品にお金を使うお客様はいなかった。
「へぇー」と言わせる
商品開発は、味、原材料、製造方法、健康志向、価格、持ちやすさ、見た目など、ここにこだわりました、ここまで追求しました、というポイントでお客様から「へぇー」がいくつ取れるかが重要である。
さらに「売れる」商品をつくるポイントはお客様に興味を持ってもらうのは当然だが、何より現場で販売してくれる担当者に興味を持ってもらうことである。