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2013/02/17更新

思い込みを捨てれば、10倍売れる カリスマバイヤーが教える「本当のお客様心理」の読み方

152分

2P

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カリスマバイヤーが教える売れる商品、売り場のつくり方

カリスマバイヤーが、売れる商品開発、売り場のつくり方を徹底解説。どのようにして顧客の心理を読むのかを具体的に紹介している。特に小売店のバイヤー、店長などに役立つ実践的な内容。


■大衆など存在しない
バイヤーは思い込みや勘違いをする人種である。基本的には店舗経験があり、優秀な成績を残した人が抜擢される。しかし、本部に配置された瞬間に現場の「肉体感覚」を置き忘れ、思い込みや、古臭い固定概念やセオリーでお客様の幻を見てしまう。

多くのバイヤーは、自分の食べたい、使いたい商品ではなく、頭で考える「大衆」が喜びそうな商品を選ぶ。しかし、ニーズも嗜好も多様化している今の日本に「大衆」など存在しない。もっと生活感を持って、自分の生活に照らして品揃えする必要がある。思い込みや勘違いをしていないかは、POPを見れば一目瞭然である。

①「お盆には家族そろって焼肉を!」
もはや焼肉は豪華なハレの日の特別な料理ではない。主婦にとっては「焼肉」は手軽な手抜き料理の代表的なメニューでもある。「自分でつくる簡単秘伝タレ!」といった切り口を明確にした方が売れる。

②「パーティーメニューのお供に!」
そもそも「パーティー」は頻繁に開いているのか。どんな目的や場面で集まるのかをイメージして、ターゲットを絞ること。「ワイガヤ」「女子会」「家飲み」では、当然、目的もメニューも違う。

超短要約

■商品は絞り込むな
品目数はあればあるだけいい。お客様は比較してから買いたい。ブランド、産地、量目、グレード、用途、フレーバーなどの違いを比べて、買う商品は変化する。但し、その一つの違いがお客様に明確に伝わっていなければならない。そうでなければ類似アイテムばかりで「商品はなんかたくさんあるけど、私の欲しい商品はない」となってしまう。

バイヤーの中には、ABC分析で売れ筋上位品目だけに絞り込む人がいる。しかし、これはなんの意味も持たない。ABC分析は「今ある商品の中でのデータ」に過ぎず、本来、品揃えしていれば売れたかもしれない商品のデータはない。さらに上位品目だけに絞るという事は、どこの店も同じ品揃えになってしまう事を意味する。

小売業の品揃えは8割方どこも同じである。しかし残りの2割がちょっとずつ違う。その「ちょっと」にこだわらなければならない。この2割の違いにお客様は他店との違いを見出すのである。

■「勝ち馬商品」に乗る
バイヤーにとっての「勝ち馬」とは、新商品や話題商品などで特にメーカーが力を入れて販売しようとしている商品である。「社運を賭けて」とか「今期のいち押し」と明確にしている商品群である。

もちろん、味や価格など自分の好みでない場合もあるが、無条件にいち早く取り組むべきである。「社運を賭けた商品」や「今期のいち押し商品」には「人」「物」「金」すべてが出るからである。「社運を賭けた商品」には潤沢な予算がある。さらにそれを売り込むことによって、メーカー営業担当者の社内の評価が高まり、良き協力者になってくれる。試食サンプル、マネキンでの宣伝販売、販促グッズや消費者キャンペーンなどあらゆるイベントを実行すること。

■10倍以上売る
重要視するべきは販売開始日である。「垂直立ち上げ」と命名し、全店一斉販売を基本として各店を競争させる。最初に全エネルギーを集中させること。スタートダッシュができれば、あとは雪だるま式に大きな成果に自然となる。

垂直立ち上げのスタートは「異常値」を狙う。通常の2割増し、3割増しではなく、10倍、20倍売るにはどうするかを店舗担当者に考えてもらう。2割増し程度ならPOPをつけるだけで売れても、10倍、20倍は、普通の事だけしていては売れない。そこでみんな考える。どんな殺し文句をPOPに書き込むか?演出はどうするか?BGMや匂いが出る仕掛けはないか?この自分で考える事がポイントである。

「垂直立ち上げ」を行った翌日は、必ず各店ごとの販売実績をチェックする。販売好調な数店舗にすぐ電話し、販売方法を教えてもらうのである。そして全店に販売好調店舗のやり方を真似させる。

著者 高田 英男

1956年生まれ。株式会社Mission01代表取締役 1979年イズミヤ株式会社入社。店舗担当者を経てバイヤーに。 1995年最年少部長として日配部長就任、ロジスティクス統括部長、執行役員食品統括部長、商品統括部長、eコマース統括部長などの要職を歴任し、売り場づくり・商品一括仕入れ・流通改善・PB商品開発・経営計画作成・ネットスーパー実務などスーパーのあらゆる現場を経験。 「お客様心理」を読んだユニークな仕掛けで売上に貢献し、「カリスマバイヤー」「カリスマ部長」として知られる。 2012年イズミヤ退社後、株式会社Mission01を設立。 小売業の営業活動・商品販売促進や製造業の商品開発に関しての指導、人材教育や研修会での講演活動などを通じて、「真の豊かな食生活」の実現を目指す。

この本を推薦しているメディア・人物

帯
味の素 社長 伊藤 雅俊

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
第1章 思い込みを捨てれば、10倍売れる p.11 16分
第2章 売れる商品と売れない商品を見極めれば売れる p.41 15分
第3章 店頭を見るルーチンを身につければ売れる p.69 13分
第4章 タブーを飲み込めば日本一売れる p.93 11分
第5章 小売り・卸・メーカーでチームをつくれば売れる p.113 11分
第6章 品揃えと売り場を見つめ直せば売れる p.133 13分
第7章 販売計画と販売促進活動を見直せば売れる p.157 12分
第8章 このキーワードとトレンドを狙えば売れる p.179 10分
第9章 商売哲学を持ち続ければ売れる p.197 14分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

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