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2013/02/01更新

Repeatability リピータビリティ ― 再現可能な不朽のビジネスモデル

309分

4P

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変化への対応こそが重要

単純に、自らの強みを発揮できる分野に焦点を絞って、そこでたゆみない変化のコツを習得する事が、抜本的な改革や継続的な再構築といった戦略に勝る結果となる。むしろ大きな改革を繰り返す戦略によって生じる複雑性と破壊は、事業成長の「サイレントキラー」であり、事業の中核を弱体化させる悪循環につながりかねない。

長期的な成功には、その時々の流行を求めて「どこで戦うか」を見極める事よりも、「どう戦うか」「なぜその戦略を選ぶのか」の方が重要である。さらに、戦略策定においては、厳密な計画を立てて、その時々の成長市場を追い求める事の有効性が薄れ、各企業に根差した独自の強みを軸に全体的な方向性だけを設定し、市場変化に応じて対処可能な範囲で継続的に学習、改善、試行、適応する事がより重要になりつつある。

再現可能な不朽のビジネスモデル

偉大な成功を繰り返し重ねるための最良の方法は「再現可能なビジネスモデル」を構築する事である。変動する今日の市場で生き延びるビジネスモデルには、戦略、コアとなる原則、企業規範と共に、事業経営及び業績達成と並行してモデルを継続的に改善し、適応させるメカニズムがなくてはならないからである。「再現可能な不朽のビジネスモデル」は3つの設計原則の上に成り立つ。

①明確に差別化された強力なコア事業
「再現可能な不朽のビジネスモデル」は競合企業に対して鋭く、ほとんど露骨なまでに差別化する事によって、競合とは異なる収益性を実現している。このような差別化を可能にする社員の行動や製品特性につながる企業特有の資産といったものをコア事業と定義づける。コアの事業活動が最善の状態にあれば、学習と継続的な変化、改善が推進され、ひいては二番煎じや模倣をより困難にする。

②絶対に譲れない一線の顕示
戦略をぶれない意思決定と行動へ移す際の原則を「譲れない一線」と呼ぶ。譲れない一線が明確であれば、それを業務規定や禁止事項へ置き換える事で、戦略がより単純に理解され、フォーカスがはっきりする。さらに経営陣と現場の社員との距離も近くなる。

③循環型学習システム
「再現可能な不朽のビジネスモデル」は特に、事業全体の学習と継続的改善を促すためのシステムが充実している傾向が見られ、再現可能モデルの透明性と一貫性をうまく活用している。

この3つの設計原則は相互に強化しあう関係にあり、好循環サイクルが作用する。即ち、①明瞭かつ再現可能な差別化によって、②全社共通の評価軸や理念が創出、適用されやすくなり、③透明性と学習、適応が促進され、競合企業に比べ、企業全体の経験曲線効果が急速に高まる結果となる。