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2013/01/17更新

知の逆転 (NHK出版新書 395)

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文明の崩壊:ジャレド・ダイヤモンド

・文明にとって、今後も地理的な要素は、重要か?
2つの理由から重要な役割を果たしていく。1つは現時点における地理。アフリカが最も貧しい大陸であるのは、それ全体がほぼ熱帯気候であるからで、公衆衛生や病気、土地が不毛である事など、大きな問題がある。

もう1つは歴史的な地理。歴史上、地理的な要素は過去1万年もの間、影響を及ぼしてきた。イラクやイラン等の肥沃な三日月地帯の国々や中国では、1万年前、他の地域に先んじて農業が始まっている。200年前にやっと農業が始まった地域は、1万年前からやっている所と競争にはならない。

・文明はどのように崩壊するのか?
文明が崩壊するには、5つの要素が関係してくる。①環境に対する取り返しのつかない人為的な影響、②気候の変化、③敵対する近隣諸国との対立、④友好国からの疎遠、⑤環境問題に対する誤った対処。必ずしも5つ全ての要素が国や社会の崩壊に関与しているとは限らない。

・人口増加や資源活用の点から見て、私たちは成長の限界に達しつつあるのか?
既に成長の限界に達している。世界の漁場は開発されつくし、森林も伐採の限界に達している。もはや世界の現状を支えるための資源が十分にはない状態である。あと20、30年もすれば、さらに30億人もの人間が大量消費するようになって、資源の枯渇に拍車がかかるのは明らかだが、この事が暴力的な戦いにつながるかどうかは、我々の決断にかかっている。

・先進諸国は生き残るために何をすべきか?
現在のように消費量の格差がある限り、世界は不安定のままである。安定した世界が生まれるためには、生活水準がほぼ均一に向かう必要がある。持たざる国はますます効果的に自分たちの不満を相手に伝える手段を獲得するようになる。例えば持たざる国が核兵器を持つのは時間の問題。よって、解決策は世界中の生活水準の均衡化という事にならざるをえない。

・宗教の起源とはどのようなものか?
ほぼ全ての人間社会にはなんらかの宗教が存在する。という事は、宗教がなんらかの役割を演じてきた事を物語っている。宗教のもたらす恩恵とは、宗教が強力な動機を与えること。過去において宗教は、隣国の人々を殺すための動機を与え、征服意欲をあおって、時の支配階級にとって有利になるように働いてきた。

・「人生の意味」とはどういうものか?
「人生の意味」というものを問うことに、全く何の意味も見出せない。人生というのは、星や岩や炭素原子と同じように、ただそこに存在するというだけの事であって、意味というものは持ち合わせていない。我々の生の目的は、地球上で平和に共生する人間の数を最大にするという事ではないし、数が多ければいいというものでもない。