博報堂・生活総合研究所オリジナルの思考メソッド「INSIGHTOUT」。あふれる情報から必要な情報だけを取り出す「ものさし」のつくり方、取り出した情報をどのようにアイデアとして加工するのか、さらにそれをどのようにして伝えるのかを解説している。
■「情報爆発」が引き起こす3つの現代病
1年間に日本国内で流通している情報量は、DVD換算で1058.5億枚分にも達している。今、私たちは「情報爆発時代」を生きている。このような中で、多くの人が「たくさんの情報をうまく処理しきれない」という悩みを抱え、3つの現代病にかかっている。
①情報メタボ
せっせと情報を入手して、たくさんストックしているのに、それをうまく仕事に活かせない。いいアイデアも思いつかない。
②視野狭窄
検索機能に頼り、自分が欲しい情報だけを探し出していると、検索キーワード以外の情報に触れる機会が少なくなり、情報の視野狭窄に陥る。
③情報の運び屋
インプットした情報を、自分の頭で加工する事なく、そのまま反射的にアウトプットする。何でも検索できる時代、「情報の運び屋」の存在価値は薄れている。
情報をアイデアに加工する技術「INSIGHTOUT」は次の3つのステップを踏む。
①情報を仕入れる
業界外の生活者の情報の中から、自分が「気になる」情報を集める。
②アイデアに加工する
「気になる情報」をアイデアに加工するには、2段階のプロセスを経る。
・「なんで?」を考えて、仮説を見つける
・仮説を自分の課題に掛け合わせ、「だったらこうなる!」と発想する
③プレゼンテーションとして出荷する
プレゼンテーションは、聞き手の行動や考え方に変化を起こすための「提言」である。ただ伝えればよい訳でなく、聞き手にとっての「プレゼント」として受け入れてもらう。そのための注意点は次の3つ。
・プレゼン後、相手に何が残るかを考える
・聞き手の情報を事前に収集する
・メッセージを1つに絞る
著者 吉川 昌孝
1965年生まれ。博報堂生活総合研究所主席研究員、動態研究グループ・グループマネージャー 大学卒業後、博報堂入社。マーケティングプラナーとして得意先企業のマーケティング戦略立案業務を担当。2003年より生活総合研究所客員研究員ならびに博報堂フォーサイトコンサルタントとして得意先企業の未来シナリオ創造ワークショップを担当。2004年より生活総合研究所。2008年より未来予測レポート『生活動力』のプロジェクトリーダーを務め、「第三の安心」(2008年)、「態度表明社会」(2009年)、「動の成熟」(2010年)、「圏づくり」(2011年)を発表する。 2008年より京都精華大学デザイン学部非常勤講師。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2013年 01月号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 「情報爆発」が引き起こす3つの現代病 | p.15 | 14分 | |
第2章 情報をアイデアに加工する技術「INSIGHTOUT」 | p.41 | 16分 | |
第3章 ステップ1 「気になる」情報だけをインプットする | p.69 | 20分 | |
第4章 ステップ2 いいアイデアは「なんで?」から生まれる | p.105 | 19分 | |
第5章 ステップ3 プレゼンテーションを「プレゼント」する | p.139 | 18分 | |
付録 INSIGHTOUT special session―ドキュメント「Life After 3.11」ができるまで | p.171 | 4分 |
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最高のアウトプットは、最良のインプットからしか生まれない
2013-02-05
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すべての出来事は、人間が起こしている。だから、その出来事の背景には、必ず「こういうのが面白い」「こういう考えっていいよね」という人間の気持ちがあります。
2013-02-05
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