ひたすらチラシを配る
いざ出店となったら、まず交番に挨拶に行く。その理由は地元に根付くため、そしてチラシを配る事を報告しておくため。オープニング2週間前からは特に力を入れる。出店前の街の調査に基づいて、動線を見てマッピングし、チラシを配る場所を検討する。
チラシそのものも効果的だが、開店前から2週間ほど同じカフェのユニフォームで毎日同じ場所に立っている事が最大のアピールポイントとなる。地域にもよるが、1日2000枚くらいを1〜2週間で配る。ランチのドリンクサービスなど、よくあるクーポンを配る場合が多いが、デザインには非常に気を使う。センスが悪いと思われてはいけない。
開店前の宣伝活動としては、ひたすらチラシを配る事だけ。地道に、かつ徹底的に。これがモットーである。口コミという側面では、これまで出店しているカフェのお客さんを大事にしなければならない。カフェのオープニングに、他のカフェの常連さんに足を運んでもらい、新しいカフェの魅力を口コミで伝えてもらう事は、大きな宣伝効果がある。
同時に、カフェでの告知・掲示も大事である。「こんな展示をしてもらいました」といった事例をどんどん発信する事で、お客さんの生活をサポートできるカフェのイメージをアピールする。
お客さんと仲良くなる
お客さんと従業員の関係は大切である。気軽にくつろぐ事ができ、コミュニケーションがとれるような環境をつくるように意識すること。例えば、あえて読みにくい字で手描きの黒板におすすめを書いたりする。お客さんに「これ何?」と問いかけてもらえるよう仕掛ける。挨拶は「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」である。
お客さんと従業員の目線がフラットになる数少ない業態こそがカフェである。スタッフがカフェの常連のお客さんと関係を築く事ができれば、情報交換をするようになる。お客さんが近所に頼りになる親戚ができたように思ってくれる事が理想。
だから、従業員にとって一番大事なのは、しょっちゅう来るお客さんと仲良くなること。イベントをやると、本当に仲良くなれるのでオススメ。
コミュニティの拠点になる
カフェをつくり、サード・プレイスとして利用するために地域の人々が集まってくるようになると、カフェはそれぞれの人の活動の拠点として機能し始める。人々が集まれば、情報も集まり、新たな文化の創造や発信へと繋がっていく。コミュニティにおいて、そういった機能が期待できるのが、拠点(=ハブ)としてのカフェである。
少しの間だけお子さんや荷物を預かる、自転車を置いてあげる、掲示板をつくり、そこで家庭教師が生徒を探したり、スポーツのメンバーを集めたりする。カフェの店員が一方的にサービスをするのでなく、顔なじみのお客さん同士で助け合ってもらう。