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2012/12/23更新

ひつまぶしとスマホは、同じ原理でできている (日経プレミアシリーズ)

  • 理央 周
  • 発刊:2012年10月
  • 総ページ数:217P

130分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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名古屋名物の案内本??

名古屋名物の事例を紹介しながら、ビジネスで違いを生み出す思考法を解説。
マーケティングやイノベーションについて、わかったようなわからないような気分になる1冊。


■ひつまぶしとは
いわゆる「名古屋めし」と呼ばれるものには、味噌煮込みうどん、きしめん、味噌カツ、あんかけスパ、小倉トースト、手羽先など、数え上げたらきりがないほど多様なメニューがある。名古屋以外の人は一様に、名古屋めしというとB級グルメ、ジャンク・フードというイメージを漠然と抱いている。一方で、名古屋めしにだって「ひつまぶし」という高級なものもある。数ある名古屋めしの中でも、王様のような立場にある。

ひつまぶしは、普通の鰻丼的な食べ方、薬味つきの食べ方、お茶漬けの食べ方と、一回の食事で三種類の味わい方があり、「なにやら楽しい」という胸躍る感覚すら得る事ができる。そして、ひつまぶしのもう一つの特徴は、木でできた「おひつ」で食卓に出される点にある。複数の人数で頼むと、1つのおひつに全員分が入って出てくる事もある。鰻は細かく切ってあるから、取り分けやすい。このお値打ち感、合理性の追求が、ひつまぶしをロングセラーにした大きな理由であろう。

超短要約

■名古屋の喫茶店が、長居をして欲しい理由
名古屋の朝はモーニングサービスで始まる。多くの店で、トーストやゆで卵などに加えて、サラダがつく普通の朝ごはんがコーヒー代だけで楽しめる。店同士の競争は激しいようで、名古屋人でも驚くほどのサービスを提供している事も珍しくない。

さらに名古屋ではモーニングは必ずしも「朝」を意味する訳ではない。ある喫茶店では「モーニングサービス 朝7時から午後4時まで」という表示を見た事がある。観光ツアーに組み込まれ、閉店まで「一日中モーニング」をやっている名物カフェまであったりする。

名古屋には、3大喫茶店チェーンと呼ばれる存在がある。コメダ、コンパル、支留比亜である。中でも大人気なのは、コメダ珈琲店でサービスと居心地がいいという名古屋的な喫茶店の王道を行くチェーンである。いずれの店舗も朝から混んでいる。

コメダの店内に入ってまず気付くのが、大きなマガジンラックで、まるで漫画喫茶のような趣である。メニューもドリンク、フード共にバラエティに富んでいて、シロノワール(さくさくのパンにたっぷりソフトクリームがのったスイーツ)を中心にスイーツも豊富で、まるでファミリーレストランのように選ぶ楽しさがある。イスもクッションがふかふかで、とても心地が良く、長く座っていても疲れない。

コメダは、回転率を上げるよりも、居心地のいい空間をつくり、長居してもらう店にしている。コメダには元々、常連さんが来てくれなければ店は成り立たないという考えがあったので、居心地の良さを極限まで高める努力を続けている。そのため、回転率が上がらなくても利益を生み出せるように、コスト低減する工夫を続けている。

例えば、1つの食材を様々なメニューに使えるようにしてムダをなくす、料理の仕込みを開店前にしっかり行う、朝から晩までお客さんが来られる店にするなど。

様々な目的を持った顧客にいかに選ばれるかが、特に単価の低い喫茶店のような飲食業においては重要になる。この時、立地と同じくらい重要なのが、「居心地」になる。だから、名古屋の喫茶店は、モーニングを充実させたり、ファミレスのように多彩なメニューを用意したり、漫画喫茶のように数多くの新聞と雑誌を揃えたりしている。

マーケティング活動の基本は、売り込みをしなくても自然に買ってもらえる仕組みをつくることだ。だから、満足してもらった顧客に継続的に買ってもらえる仕事を組み立てる必要がある。但し、ビジネスを発展させるには「満足」だけでなく「感動」が必要である。「事前の期待」を超えるから顧客は驚き、それが感動につながる。

喫茶店であれば、予想以上に充実したモーニング。これらの顧客体験が驚きや感動を与える。すると、どんどん広がっていく。

著者 理央 周

1962年生まれ。マーケティングアイズ株式会社代表取締役 大学卒業後、2004年までアマゾンジャパン、フィリップモリス、マスターカード、など主に外資系企業で東京、米国、ブラジルにてマーケティング・マネージャーを歴任。2005年より名古屋にて、マスヤ、プライムショッピングなどでマーケティングに従事。2010年に、マーケティング・コンサルタント、講師として起業し、2011年より現職。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
序章 すべてのヒントは名古屋めしにある p.3 6分
第1章 ひつまぶしとスマホは、同じ原理でできている p.23 15分
第2章 名古屋の喫茶店が、長居をしてほしい理由 p.55 12分
第3章 人気商店街の秘密は、嵐を見ればわかる p.81 18分
第4章 台湾ラーメンは、何を破壊したのだろう p.119 11分
第5章 日本そば屋は、なぜコーヒーを出さないのか p.141 17分
第6章 ビジネスの成果は、ハンコの数と反比例する p.177 20分

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