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2012/12/02更新

大きく、しぶとく、考え抜く。―原田泳幸の実践経営論

146分

8P

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データよりもメッセージが大切

1年前からコーヒーの無料提供が今後の客層拡大の生命線だと言い続けているが、現場がそこまで動かない。店舗の売上を見ると、試飲用コーヒーを1日に数百人以上のお客様に配っている店と、1日20杯ぐらいしか配っていない店では、売上に差がはっきり出てきた。

そこでお店を管理している数百人のマネジャー以上を集めたところで、こんな事があった。担当者にミーティング資料をどうやって作っているのかを聞いたところ、「試飲用コーヒー提供の相関データを一生懸命つくっています」と答えが返ってきた。きまじめにデータを精査し、分析している訳だが、データの正確性よりも、それをわからせるメッセージを重視しろと指示をした。

新たな顧客を広げるための金鉱を掘るには、表面的な対応ではダメだ。現場のやる気を引き出すには、こちらの情熱が大切なのである。

ビジネスとはマーケットをつくること

外食産業の場合、安売り戦争が中心であり、「売る」のではなく、そこに存在するお客様の需要をローコストで隣から「奪う」という競争になっている。それはマーケットをつくっている訳ではない。ビジネスとは、マーケットシェア・ゲームだけでなく、マーケットをつくる事ではないか。そのためには、お客様にとって、今まで経験したことのない価値を提供するという視点がなければならない。

ウォークマンやiTunesのように、新しいものをつくった時に、新しいライフスタイルやマーケットも同時に生み出される。

「両方追う」のがビジネス

経営というのは、すべての相反する要素を満たそうとする矛盾を追いかけること。例えば、顧客満足度を上げようと思ったら、店舗にクルーをたくさん入れることで確実に上がる。しかし、その分利益を圧迫する。一方で利益を上げようとすると、満足度が下がる。

「では、どちらをとりますか」という質問をよく受けるが、その時は「両方とれ」と言う。両方とることがビジネスである。同時にとれないから、双方のバランスを取りながら誘導していく。

商売の感覚を磨け

値上げをした時、お客様に「なんで値段が上がったの?」とよく聞かれるので、小さいカードを貼って、誰でも説明できるようにと指示を出した。ある日、店に出向き3人のクルーに質問をした。1人目は理由を度忘れ、2人目は「今回は◯◯の原材料を△△して、□□のように形を変えました」と言う。3人目は「おいしくなったからです」と言う。3人目が一番正しい答えです。

「お客様に原材料の変更を科学的に説明するバカがどこにいる」と説教をした。「お客様、食べてみれば絶対に分かりますから」と説明すれば、それでいいのである。これが商売というものである。