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問題解決リーダーシップ

マッキンゼーでは「問題解決リーダーシップ」という言葉が頻繁に使われる。問題解決スキルとは、ロジカルシンキングなどの思考テクニックを使って、問題を整理分析し、解を見つける技術のこと。一方、問題解決リーダーシップとは、解くべき課題(イシュー)の定義から、分析の設計、関連する組織や人とのコミュニケーションを含む一連の問題解決プロセスにおいて、リーダーシップを発揮することである。

思考を深められるよう視点を何度も変更してみたり、みんなの発想を刺激するため、思わぬ角度から質問を投げかけてみたり、時にはあえて反論を述べ、参加者の意思や論理構成がどれほど強固なものか、試すこともある。

リーダーがなすべき4つのタスク

①目標を掲げる
目標をわかりやすい言葉で定義し、メンバー全員に理解できる形にした上で見せるのが、リーダーの役割である。

②先頭を走る
先頭を走るという事は、自らの最終的な勝利を犠牲にせざるを得ないほど大変なことである。結果がうまくいかない場合も含めて、そのリスクや責任を引き受ける覚悟があり、結果として恥をかいたり損する可能性も受け入れる、受容度の高い人こそがリーダーである。

③決める
リーダーとは「決める人」。検討する人でも考える人でも分析する人でもない。たとえ十分な検討を行う時間が足りなくても、決めるべき時に決め、そのリスクをとるのがリーダーの役目である。

④伝える
リーダーの大切な仕事が、コミュニケーションである。一定人数以上の組織を率いる場合、言葉によって人を動かすことは必須となる。

マッキンゼー流リーダーシップの学び方

新人コンサルタントは、次の基本動作を通じて、リーダーシップを学んでいく。

①バリューを出す
常に「どんなバリュー(付加価値)を出したのか?」と問われ続けることで、自分のやっている仕事がどのような価値を生んでいるかを強く意識するようになる。結果、漫然と作業する事がなくなり、できる限りバリューの高い仕事を優先して取り組むようになる。

②ポジションをとる
マッキンゼーでは、常に自分の立ち位置をはっきりさせ、自分の意見を明確に述べるように求められる。「もし自分だったらどうするだろう?」と当事者意識をもって考えるようになり、「決断する」ことの訓練となる。

③自分の仕事のリーダーは自分
自分の仕事に関しては自分がリーダーであり、関係者をどう使って成果を最大化するのかを考えさせられる。

④ホワイトボードの前に立つ
ホワイトボードの前に立って議論のリーダーシップをとるには、会議の参加者が発する意見を全体像の中で捉え、論点を整理して議論のポイントを明確にしたり、膠着した議論を前に進めるために視点を転換したりと、様々なスキルが求められる。