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2012/12/04更新

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体

150分

8P

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メディアの本質を考える

R25、BLOGOS、Techwave、livedoorニュース、NEVERまとめなど、様々なメディアを立ち上げてきた著者が、メディアの本質について語っています。

そもそもメディアとは何か?情報爆発時代の今、ウェブメディアはどうあるべきか?
メディアに関わる人が理解しておくべき内容が書かれた1冊。


■メディアとは何か?
メディアとは、そこに情報の送り手と受け手の二者が存在し、その間を仲介し、両者間において、コミュニケーションを成立させる事を目的とするものである。ここで、大事なことは「メディアは必ず、受け手を必要とする」事と「受け手こそが王様」であるという事である。

超芸術的でクールでかっこいい写真が溢れる雑誌を作ったとしても、それが誰にも読まれない、あるいは読者の心の中に何ら「印象」なり「爪痕」を残せなければ、それはメディアとは呼べない。

今や個人・法人を問わず「誰もがメディアになり得る」時代に、「情報爆発時代」になった。しかし、きちんと読まれ、読み手の心を動かし、世の中に対する影響力を継続的に発揮できているものは、かなり少ない。今や情報を発信すること自体には、全く価値がない。読み手に届くメディアを作り、運営できるかが生命線である。

超短要約

■「コンテンツの軸」からメディアを読み解く
コンテンツの形態は、次の3つの軸が基本フレームとなる。

①ストック ⇔ フロー (例:ウィキペディア ⇔ ニュース記事)
ストック性の高いコンテンツは、時代を超えて「読むべき」とされているもの。しかし「いつ読んでもいい」というのは「今すぐ読む必要もない」ということになりがちである。だから、フロー性を付与し、キッカケづくりをすることで、「今ココ」で読まねば!という意味付けすることに価値がある。

②参加性 ⇔ 権威性 (例:食べログ ⇔ ミシュラン)
編集する「意思」をもって成果物をできうる限り、コントロールし、その成果物を、受け手がやみくもに信頼してしまうところに、権威性メディアの特徴がある。これは社会において影響力を持つ事こそがメディアの存在意義という意味で、メディアにとっては非常み意味のあること。一方、参加性メディアには、集合知的な部分に、大きな可能性が存在する。しかし、全体としての「意思」や「責任」が誰に帰属されるべきなのかを巡っては答えが出ていない。

③リニア ⇔ ノンリニア (例:映画、長編小説 ⇔ 辞書、カタログ) 
リニアなコンテンツとは、初めから終わりまで一直線に連続した形で見てもらえることを想定したコンテンツ。昨今、ウェブ上ではソーシャルメディアや検索エンジンからの記事への直接流入が、あらゆるサイトで増加している。そうした流れで、元々の雑誌レイアウトにおいて持っていた台割によるストーリー性や文脈といったものが、ウェブ上でははげ落ちてしまう。ノンリニア化の進展が、今のメディア・コンテンツ消費の現場である。

デジタル化やスマートフォン化、ソーシャル化の進展は、「フロー」と「ストック」の軸においては、引っ張り合う力が拮抗して中立に思えるが、「参加性」と「権威性」の軸では「参加性」へ。「リニア」と「ノンリニア」の軸では「ノンリニア」の方へと、コンテンツのあり方を変えるように「引力」を発揮しつつある。

3次元の軸に基づいて、しっかりとした方向感覚を持ち、デバイス環境や生活者の可処分時間の動向まで含め、現在のメディア潮流がどのように変化しているのかを、自分の立ち位置と共に正しく把握することが必要である。

著者 田端信太郎

1975年生まれ。NHN Japan株式会社 執行役員 広告事業グループ長 NTTデータに入社し、BS/CSデジタル関連の放送・通信融合の事業開発、JV設立に携わったのち、リクルートへ。フリーマガジン「R25」の源流となるプロジェクトを立ち上げ、R25創刊後は広告営業の責任者を務める。 その後、2005年4月にライブドアに入社し、ライブドアニュースを統括。ライブドア事件後には執行役員 メディア事業部長に就任し経営再生をリード。さらに新規メディアとして、「BLOGOS」や「MarketHack」、「Techwave」などを立ち上げる。 2010年春からコンデナスト・デジタル社へ。カントリーマネージャーとして、以前から運営されていた「VOGUE」のウェブサイトに加え、「GQ JAPAN」「WIRED」のデジタルマガジンなどを新たに立ち上げながら、デジタル事業の成長と収益化を推進。 2012年6月 NHN Japan株式会社 執行役員 広告事業グループ長に就任。「LINE」、「NAVERまとめ」、「livedoor」などの広告マネタイズ全般を統括する。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
まえがき p.6 1分
第1章 はじめに p.8 3分
第2章 一般ビジネスパーソンもメディアの知識が必要な時代 p.14 6分
第3章 「メディア」とは何か? p.24 6分
第4章 そこにメディアが存在する意味ー影響力の本質 p.34 15分
第5章 「コンテンツ」の軸でメディアを読み解く p.60 23分
第6章 「メディア野郎」へのブートキャンプ p.100 28分
第7章 メディアとテクノロジー p.148 12分
第8章 劇的に変わるメディアとメディア・ビジネス p.168 8分
第9章 拡大する、個人型メディアの影響力とこれから p.182 10分
あとがき p.200 3分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ) 「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)
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