幹事の役割とは何か
「人は誰しも、自分のことをわかって欲しい生き物」である。自分の話を聞いてもらえることは驚くほど気持ちいいもの。この原理を活用して、参加者全員の「心のパンツ」を脱がし、参加者同士が腹を割って話し合える機会をつくり出すことが、宴会の真の役割である。
そして、宴会幹事の役割は、参加者全員にスポットライトを当て、一人ひとりが主役になれる時間をつくる事にある。そんな幹事にとって常に心掛けなければならないのは、「宴会弱者」の救済である。入社したての女性社員、人見知りの独身男性社員、出向社員さん、派遣社員さんなど、こうした人達に優しくスポットライトを当て、いい話を導き出し、褒めちぎり、他の参加者と「心と心が通う機会」をつくり出すことが大切である。
入念な準備が成否を決める
①立食パーティーは、幹事のコントロールが利きにくいので着席型にする。
②主賓、宴会のキーパーソン、普段来てくれない人のスケジュールを先におさえる。
③場所決めは、お局様と姉御に事前に相談する。
④お店は必ず下見し、事前に店長さんに会っておく。
⑤よく喋る人とあまり喋らない人が混在するように席順をシュミレーションする。
気配りを忘れない
①宴会芸は「単純明快」「どっかんと笑う」「バカだなぁ」の3つを満たす。
②新人芸には「コスプレ」「先輩社員の介添え」を加える。
③女性を「お姫様」のように大切に扱い、気配りを欠かさない。
④宴席での自己紹介は、キラリと光る強みを見せること、意図的に隙をみせること。
⑤大人数でも必ず名前を覚える。
⑥空いたグラスは見逃さず、おもてなしの心でケアする。
明石家さんまに学べ
司会をするにあたって目指すべき人は、明石家さんまである。彼は、あまり自分の話をせずに笑いをとっている、自分の話をする時は、誰かに話題を振る時や、誰かの話にかぶせて笑いを増幅させる時がほとんど。彼が行っている作業は、次の2つ。
①話を引き出すこと
②話にオチをつけること
幹事は、宴会においてファシリテーターとして対象者をプロデュースするために会話を引き出す必要がある。会話を引き出す5原則は次の通り。
①「まず何の話なのか」核心をつく
②状況を詳しく把握するために内容を時系列に整理する
③情報をさらに細かく描写させる
④理由を聞く
⑤感想や気持ちを聞く
目の前の人が「誰かにわかって欲しい」と思っているストーリーを的確に引き出すことが大切である。ファシリテーターがうまく機能すると、宴は爆発的に楽しいものに変わる。