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2012/12/03更新

ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣

349分

6P

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コミットメント契約とは

コミットメント契約は、破った場合の罰や達成した場合のごほうびという裏付けを持つ約束である。コミットメント契約があると、週三回運動すると約束したら、やらなければ何らかの罰をくらう。

インセンティブが行動に「値づけ」して「選択肢のどれかに誘導する」ものであるのに対し、コミットメントは「考えられる選択肢を選択からなくしてしまう」ものである。即ち、将来のよろしくない行動に「選択制約」をかける。

伝統的なインセンティブとコミットメントの違いは「抑止性」にある。コミットメントは、将来の選択肢を文字通り不可能にする、あるいは「タバコを吸ったら5000ドルの罰金」といった大がかりなものにして無視できないものにすると有効である。

但し、厳しい鞭で成果を出させると、行動変化は長続きせず、反動が起きる。よって、短期的な行動を変えられるくらいには大きな罰則を選びつつ、長期的な反動が起きない程度に抑えることが大切である。

アメよりも鞭

人はすでに手元にあるものを手放すのが大嫌いである。これを「損失忌避」という。これは、インセンティブの効果にも当てはまり、損失は利益よりも2倍くらい大きく見える。即ち、同じ金額でも、インセンティブの効果はアメよりも鞭の方が大きい。

さらに鞭というのは与え続けることができる。罰が必要なのは、人々が失敗した時だけだが、報酬は人々が成功したら与えなくてはならない。つまり、処罰による脅しは、うまくいけば一銭もかからない。

アメや鞭で行動は変わる。ただ、同じ条件でも、それが鞭に見えたり、鞭の不在というアメに見える場合があり、人の反応が変わる。これを「フレーミング」という。人々は、2つの違う報酬を選ぶ時にはリスク忌避だが、2つの違う鞭の間で選ぶ時はリスクを選好する。損失忌避はあまりに強いため、大きな損失を避ける可能性を少しでも得るためなら、人々は賭けに出ても構わないと思うのだ。

もし望む行動がリスク逓減行動と思われるものなら、便益をアメとしてフレーミングする方がいい。望む行動がリスクを増やすと思われるなら、便益は鞭の減少としてフレーミングする方が効果が高い。

コミットメントで大切なこと

①社会的文脈を考える
インセンティブに対する人の反応は、「人にどう思われるか」に大きく影響される。コミットを考える上では、以下のことを考えることが大切である。

・誰が成功を判定するか
・自分と似た人が成功していると知ればうまくいく
・名誉にかかわることならうまくいく

②定期的な自己モニタリングを行う
③高すぎる目標を設定しない
④時には柔軟なコミットメントも容認する
⑤コミットメントしすぎない