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2012/12/05更新

サラリーマンは、二度会社を辞める。 (日経プレミアシリーズ)

  • 楠木 新
  • 発刊:2012年11月
  • 総ページ数:206P

148分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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サラリーマン人生の教科書

人生80年時代、サラリーマンはどのように組織と向き合い、働くべきか。
大手企業の人事マンとして、多くの会社員や転身者を見てきた著者が、我々はどのようにして働くべきかについて語っています。


■入社10年間は会社人間でいい
社会にどのような仕事が存在するのか、自分にとっての適職は何か、そのために自分は何ができるのかをいくら頭で考えても答えは出ない。自分に合った仕事がどこかに転がっているのではないからである。仕事というものは、自分がするのではなくて、いろいろな縁や出会いの中で他人からさせてもらっている。キャリアの展開は他人からの要請の中で進んでいくものである。

人によって異なるが、学生から社会人の生活に切り替えるのに3年、そこから自分の役割を自覚して、顧客や一緒に働く仲間に貢献できるようになるまでに、のべ10年かかる。人間の成熟を考える時に、能力の直線的な成長よりも、不合理なものに対する向き合い方がものをいう。矛盾をなくそうとするよりも、その矛盾のあり方をよりよく知ろうとする姿勢が、結果として問題解決の近道になる。

会社で働くビジネスパーソンには、入社して10年あまりは会社での仕事に没頭することをお勧めしたい。若い内は猛烈な会社人間であっていい。

超短要約

■仕事で自己実現を目指してはいけない
個人の持つ能力を思う存分発揮できる機会は組織の中では多くない。全くない場合だってある。むしろ会社組織は、自ら縁の下の力持ちになれるような人材を求めている。若手社員が、すぐに好きな仕事に出会い、自分らしさを発揮しながら会社の業績に直接貢献できることはありえない。配属を決める人事部も本人の適性など十分にわかってはいないのである。大半の社員は、興味の持てない仕事、裁量権のない仕事、希望していない地域での勤務に従事するのが現実だろう。

仕事選択や働き方について現実に即して説明し、「夢や希望を安易に追うな」「自己実現はもっと後で考えるべきだ」と強調する役割が必要である。人が成長する時には壁になる存在が欠かせないというパラドックスが存在するからだ。自分の希望と周囲の物言いとの間の矛盾を正面から抱える機会を若者に与えねばならない。そのためには、地味な仕事の中からも大切なものを得られることや、組織で働く意味合いを語り、「だから大丈夫だ」と励まさねばならない。

成功者を短期的な目標にした場合、自分に合う本当の道があるものと思い込み、ますます日常の職場に充足感が持てなくなりがちだ。その結果、日々の仕事に身が入らず、周囲の仲間からの信頼を失うことにもつながりかねない。そもそもスティーブ・ジョブズのように起業家になれる適性を持っている人はごく少数である。

昨今は、若い内からやりたい仕事や自分に適した職業を求めようとする風潮がある。しかし経験の浅い時期に、将来の目標を決めて現在の自分に無理に結び付けようとしない方がいい。むしろ自分を超えた制約の中に身をゆだねることも必要だ。苦手と思える仕事の方が自分の幅を広げるのに役立つ場合があるからだ。

一定期間組織にいること自体が力になる。会社は人間関係をはじめ実際は多くの不合理なものを抱えており、それは時間をかけて感じ取らないと理解できない。好きな仕事を探すために、膨大な時間と労力を費やすくらいなら、周囲の同僚や顧客と楽しくやっていけて、どんな仕事でも前向きに取り組める自分になるために、何をすればいいかを考えるべきだ。

著者 楠木 新

1954年生まれ。楠木ライフ&キャリア研究所 代表 大手生命保険会社に勤務し、人事・労務関係を中心に企画、営業、支社長等を経験。 勤務のかたわら、ビジネスパーソン200名にロング・インタビューを重ねる。 朝日新聞beに「こころの定年」を1年余り連載。 関西大学商学部で非常勤講師を勤めるとともに、NPO団体で医療に関する電話相談のボランティアにも参加。 47歳の時に関連会社から本部機構に転勤してまもなく「うつ」症状になり、約2カ月間休職。その後、平社員として復職、1年足らずで役職に復帰。今後の夢は、「うつ」を経験したことも活かしながら、キャリアカウンセラーとして、ビジネスマンの顔つきが良くなることに貢献すること。

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土井 英司

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ 人事部には見えないものがある p.3 7分
第1章 仕事で自己実現を目指してはいけない p.23 21分
第2章 会社人間になってみる p.59 23分
第3章 こうして会社人生への疑問は生まれる p.99 17分
第4章 会社はサラリーマンの家なのか p.129 21分
第5章 会社員のまま2つの自分を持つ方法 p.165 22分
あとがき p.204 2分

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