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市場創造のプロセス

新しい市場をつくるまでには4つのハードルがある。

①問題開発:トイレでお尻を洗いたい
②技術開発:温水器とポンプをつくろう
③環境開発:トイレに電源をつなごう
④認知開発:社会に良さを広めよう

4つのフェーズを経て、やっと社会で新しい文化が実現し、ライフスタイルが変化していく。これ全体が文化開発のプロセスであり、そこに新しい市場も創造される。つまり、新しい市場を創造しようとするならば、単に製品技術・生産技術を改善して、商品そのものをグレードアップさせるのみならず、それが解決しようとする問題、それを使用する社会環境、消費者の認知、それら開発が統合される必要がある。

しかし、多くの組織内では「別の部署がやること」という割り振りになってしまって、その構造に手を付けることが難しくなっている。

問題の発明こそがイノベーション

私たちは問題そのものは発見の対象で、それを解決する手段こそが発明の対象と思っていることがままある。しかし、それは錯覚である。それを問題と思う意識自体が人間による発明である。

現代日本は、イノベーションを自らの先入観に合わせて技術革新の意味でばかり捉えていて、文化やライフスタイルの革新をする力を持つことを軽視している。技術で解決手段を磨こうにも、その解決手段はそもそもどんな問題の解決手段なのか、それについて考えなければならない。

問題を発明する方法

①現場の本社主義
社会にまだその消費習慣が存在しない時期には、作り手も使い手も、誰もが素人である。このような局面ではインタビューをしようにも難しい。だからこそ、試作品の現物を現地に持っていって、担当者本人が戦略性を持った「本社の立場」から、「粗探し」をしなければならない。積極的に消費者に働きかけて、そこで情報を「発生」させ、それを生産の場へフィードバックする必要がある。

②暮らしのデザインから考える
生活者がお金を払うのは、モノではなく暮らしに対してである。そこで魅力を維持するには「生活者の新しい暮らしにはまる商品」をはめに行くのではなく、「生活者の新しい暮らしをつくり出す商品」を考えて、「暮らしを変えに行く」意図がなくてはならない。

どんな商品も、今ある暮らし方を前提にすると、そのパーツとしての商品も、これ以上改善の余地がないようなところに来てしまう。その袋小路を打破するには、生活自体を設計変更して新しくすることが必要となる。

③ビジネスの外側に目を向ける
ビジネスに役に立つ情報の中でも、本当に画期的、革新的な情報は、ビジネス的手法で手に入れるのが難しい。ビジネス組織は、ビジネスの世界の外から知識を輸入することが必要である。