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2012/11/15更新

日本型リーダーはなぜ失敗するのか (文春新書)

197分

4P

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太平洋戦争の教訓からリーダーシップの本質を考える

決断力に欠け、情報を軽視し、従来のやり方に固執して、責任をとろうともしない。 これは、太平洋戦争の指揮官たちにみられる共通の悪弊である。

太平洋戦争の教訓から、求められるリーダーシップとは何かを考えさせる1冊。
名著『失敗の本質』のリーダーシップ版とも言える内容です。


■日本型リーダーシップの発祥
日本型リーダーシップの原型をつくったのは、明治十年の西南戦争と言える。西南戦争において、政府軍の「総督」には有栖川宮熾仁親王が任命され、「参軍(参謀長)職」には山県有朋と川村純義が就いた。

戊辰戦争の時も総大将となった有栖川宮の役どころは「指揮官」というより「ミカドの名代」。維新から10年、官軍が自らの正統性を示すパフォーマンスにはまだまだ重要だった。いきおい総大将はおごそかなる権威があればいい、実際の指揮官たる参謀長および幕僚さえしっかりしていれば、戦はうまくいくと考えたのである。

そして、西南戦争の勝利が明治政府と帝国陸海軍のリーダーシップに関する考え方を決定づけることになった。それは一言で言って「参謀が大事だ」という考えである。

超短要約

太平洋戦争において、国家を敗亡に導いたのは、これぞというリーダーがいなかったためではないか。優れたリーダーがいなかった理由になるのが、日露戦争の大勝利の栄光にある。その栄光を汚さないために、参謀まかせの「太っ腹リーダー像」が生み出された。この「威厳と人徳」の将を支えるために「参謀重視」が金科玉条の教えとなった。

結果として、「上が下に依存する」という悪い習慣が通例となる。こうなると、軍司令官は参謀の「代読者」になるほかない。当然のことのように、机の上だけの秀才参謀たちの根拠なき自己過信、傲慢な無知、底知れぬ無責任が戦場にまかりとおり、兵隊がいかに奮闘努力、獅子奮迅して戦っても、すべて空しくなるばかりである。

そして今、強いリーダーシップが求められている。今の政官財の無責任体制はほとんど昭和戦前と変わらない。「想定外」という言葉は、「無責任」の代名詞である。この事に対する根本的な反省のない限り、日本の再建はありえない。

著者 半藤 一利

1930年生まれ。作家 大学卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家に。近現代史、特に昭和史に関し人物論・史論を、対談・座談も含め多く刊行している。

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福井県立大学地域経済研究所所長 中沢 孝夫

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
前口上 p.9 3分
第一章 「リーダーシップ」の成立したとき p.15 31分
第二章 「参謀とは何か」を考える p.67 19分
第三章 日本の参謀のタイプ p.99 26分
第四章 太平洋戦争にみるリーダーシップⅠ p.143 40分
第五章 太平洋戦争にみるリーダーシップⅡ p.209 28分
後口上 p.255 3分

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