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2012/11/09更新

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)

130分

4P

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儲かる仕組み

トップリバーを2000年に設立した時の売上は3700万円だったが、2008年には10億900万円を計上するほど成長を遂げた。この間、単年赤字は初年度の一度だけ。トップリバーの儲かる仕組みは次の通りである。

①相場出荷ではなく契約販売がメイン
既存の多くの農家は、生産した農作物をJAに託し、そこから卸売市場に出され、卸売商たちのセリによって価格が決められて、仲卸や八百屋、スーパーマーケット、レストランなどに卸され、最終的に消費者の口にたどりつく。これでは、生産者が手にできる報酬はわずかになってしまう。

トップリバーは、卸売市場を通す取引をほとんど行わず、野菜加工業者やスーパー、レストランなどに直接卸す契約栽培・契約販売が売上の7割を占める。契約した出荷量を生産し、確実に卸す。取引価格は事前に交渉を行うので、市場の相場に左右されず、安定した収益を見込むことができる。

②農地はすべてレンタル
トップリバーは、近隣の遊休農地を借り上げて自社農場として野菜を生産している他、約30名の農家と契約して野菜を出荷している。管理している農地は30万坪。農業をビジネスとして成立させるには、農地を集約し経営規模を大きくすることが不可欠である。

また、農作業機械は中古、ビニールハウスも再生品。徹底的にコスト削減を行い、ムダを排除している。

③生産部門の他に営業部門を持つ
トップリバーは農業をビジネスと捉えているので、営業部門が存在する。生産部門(生産技術)を100点であるとすれば、営業部門(営業・販売)は200点の重みを持っている。既存の農家のように販売を人任せにしていては儲からない。

ビジネスで重要なことは、相手の求める物を求める時期に提供することである。生産と販売が連携し、バランスを取ることで、取引先のスーパーや外食レストラン等との信頼関係を構築する。

200点の部分で、こだわっているのは、安売りをしないこと。取引先のニーズに合わせた野菜を安定供給するのは簡単ではない。時に損を覚悟で市場から調達し、供給数量を間に合わせることもある。そうしたリスクを負っており、量を増やすなら価格を上げるように交渉する。

④ど素人を集めた農業生産法人
ど素人だからこそ、従来の農業の方法論に縛られることがなかった。契約栽培、契約販売をビジネスの中心にしたのも、昔からある農業の常識を持っていなかったことが大きい。

⑤研修生の独立を支援
「儲かる農業」が広がっていかなければ、日本の農業が活性化することもありえない。トップリバーは「儲かる農業経営者」を育てていくことも大きな目的にしている。