不況、震災、戦災を生き抜いてきた老舗企業を徹底分析した本。
100年以上生き残っている企業に共通することは何か?
そこから、企業にとって大切なものが見えてくる!
■日本は老舗大国
帝国データバンクの企業概要データベースに収録されている、宗教法人や学校法人、医療法人などの非営利法人を除いた約119万社の中で、創業または設立から100年以上の企業は約2万社になる。企業全体の1.6%が100年以上の歴史を持つ老舗となる。
これだけ多くの老舗がある国は他に例がなく、日本は世界一の「老舗大国」だといってよい。老舗ブランドが多いイメージがあるヨーロッパでは、ブランドが継続していても実際は他の企業に売却されるなどして、創業者一族が経営から手を引いているケースが多い。
■人間の根源的な欲求に近いところが強い
業歴が800年を超える「超」老舗には、神社や寺院の建造を手掛ける宮大工と仏教関連の企業、そして温泉旅館が多い。温泉旅館が多い理由は、古くは温泉は医療の一環として利用されており、継続的に客が訪れたためである。長い歴史を持つ企業は、医療や宗教などといった、人間の根源的な、生きることへの欲求に近いところにあるものが多いといえる。
業種別に見ると、目立って老舗企業が多いのは、清酒製造、酒小売、呉服・服地小売など、日々の生活に欠かせない必需品を売る小売業が続く。
老舗企業は、顧客ニーズや時代の流れに合わせて変えるべきところは変えてきた、という企業が多数派である。元気な老舗企業には次のことが言える。
・ひたすら真面目に、愚直に毎日の仕事を続けてきたということ
・自社の発展だけでなく、顧客や社会の発展も望む気風が培われていること
・時代の変化を恐れないこと
企業を専門対象とする信用調査会社。
20代で人生の年収は9割決まる 土井 英司 |
エコノミスト 2012年 10/23号 [雑誌] ジャーナリスト 片山 修 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 1分 | |
第1章 戦災、震災、恐慌を生き抜いた老舗の社是、社訓 | p.13 | 17分 | |
第2章 老舗とは何か | p.49 | 20分 | |
第3章 老舗は一日にして成らず―12社の肖像 | p.91 | 36分 | |
第4章 老舗の財務を分析する | p.167 | 11分 | |
第5章 老舗が倒れるとき | p.189 | 11分 | |
第6章 変わる老舗、新しい老舗 | p.211 | 9分 |