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2012/11/03更新

外資系の流儀 (新潮新書)

154分

8P

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外資系の流儀

外資系企業は、日本の大企業とは違う特有のルールがあり、流儀がある。

①24時間体制
外資系企業に入社すると、会社から「ブラックベリー」をよく支給される。ブラックベリーは「社員を24時間働かせる魔法の機械」。上司は、メールの返信速度で自分への忠誠度合をはかっている。

②朝早く出社する
アメリカ人のエグゼクティブは、例外なく早朝から仕事をはじめる。また、中間管理職や平社員にとっても、早朝出社の利点は大きい。早朝は会議が入っていないことも多く、上司とアポなしで話せる時間を持てる。さらに上司は、深夜残業する部下には厳しいが、朝早く出社する部下には優しい。残業代がかからないからである。

③極限状態で長時間働く
残業しないで結果を出している人は、自宅で猛烈に働いている。成功している日本人の方々は、人生の一時期、実によく働いている。

④カタカナ言葉を使ってみる
バリューマネジメント、デコンストラクションなど、必要のない言葉までわざわざカタカナにするのは、「グローバル感」をアピールするためでもある。外資系企業では、日本語の正しさよりも英語力とカタカナ力。

⑤品格のあるメールを書く
英文メールは、社内政治ツールであり、「どういう書き方をすると自分の立場にとって最も効果的か」ということを常に考えながら、細心の注意を払って書かなくてはならない。その書き方は誰も教えてくれないので、外資系の方々は、皆、外国人幹部がよく使う英語をひたすらマネする。

⑥英語は緊張感の中で磨く
外資系で昇進したいと思えば、英語ができる人に追いつくしかない。「英語ができる」とは、きれいな発音で話すという意味ではない。内容をきちんと外国人に伝えられればいい。英語を磨くには、伝えるための英語を実地で身につけていくのが最も効率的。

⑦秘書を大切にする
秘書は、スケジュール管理、出張手配、資料のコピーまで、補助的な仕事を一手に担当している。万が一、敵に回してしまうと、仕事がまわらなくなる。海外出張に行ったらお土産を買うなど、ちょっとした気配りも大切である。

⑧「古い人たち」を味方にする
社員の回転率が高い外資系企業の中で、十年、二十年、同じ会社で働き続けている人たちがいる。英語が苦手のため、幹部候補でなく、専門職として同じ職位で長く働いている。彼らは、英語ができるだけで幹部候補として入ってくる新参者に対し、不満を抱えている。そのため、味方ではないとわかると、全力で追い出しにかかる。

⑨会社の悪口は言わない
外資系企業は、狭い世界だけに、日本企業以上にウェットな部分もある。外資系企業の社員同士の飲み会で本音を話すのはとても危険だ。必ず会社に告げ口する人がいる。飲み会は「上司や同僚をチヤホヤする仕事の場」だと割り切った方がいい。