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2012/10/29更新

現実を視よ

  • 柳井 正
  • 発刊:2012年9月
  • 総ページ数:235P

169分

6P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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「稼ぐ」ことの重要性を思い出せ

かつて日本人は金持ちだったが、今はせいぜい「中の下」に過ぎない。しかし、危機感がないから「このままではいけない、なんとかしよう」という気にもならず、転落は止まらない。このままいけば日本人は、厳しい現実を嫌でも認めなければならなくなる日は、あっという間にやってくる。

いま必要なのは、現実を直視すること。この20年間、世界はもの凄いスピードで、ドラスティックに変貌を遂げてきたが、その事実に日本人はきちんと向き合おうとしなかった。過去に成功したように見えたやり方にしがみつき、きっとなんとかなる、とどこかで期待し続けた。その結果が今のダメな日本である。

日本人は「資本主義の精神」を忘れてしまったのではないか。「資本主義の精神」とは、「成長を目指して自ら事業を起こし、社会をよりよい方向に変えていくこと」。資本主義が健全に機能している国からは、顧客ニーズを掘り起こし、顧客そのものを生み出しながら、価値を提供して社会を変革する資本家が続々と現れる。ゴールドラッシュが起こっているアジア諸国は、まさにこの状態にある。

いまの日本人は、自分たちの仕事があるからこそ、日々の暮らしや社会が支えられている、との自覚をどこまで持っているだろうか。「資本主義の精神」を忘れていく中で、この国はお金は貰うものという意識が蔓延してしまった。この国はお金のある人が、お金のない人に食べさせる社会になっている。こうした社会からは、確実に活力が失われる。

これからの時代は、個人として競争に勝ち抜いていかなければ、いつ会社がなくなり、クビになるかわからない。サラリーマンほど不安定な立場もない。自分の実力を棚に上げて会社に寄りかかっていたら、いつまで経っても経済的自立はできない。そろそろ、この当たり前の事実を自覚すべきである。

志をもって生きよ

今の政治は、愚政のそしりを免れない。日本の政治家も、官僚も、三流どころか四流である。どうやって成長するのか、と考える人達がいなくなり、目の前の原資を配ることで、いかに国民の人気を集めるかばかり考える集団になってしまった。

2012年度予算の税収は42.3兆円。新規国債44.2兆円。これに対して歳出90.3兆円。これがまともな政治と言えるだろうか。日本の国家財政が破綻寸前なのは、まぎれのない事実。

もはやこの国に、政治家や官僚が変わってくれることを待っている時間は残されていない。そもそもまず、あなたが変わらなければ、あなたの未来は変えられない。失われた20年の教訓。それは、みんなが評論家になってしまったこと。傍観者ばかりで当事者がいなければ、状況は何も変わらない。

いま、自社の社員だけでなく、日本中の人に言いたいことがある。
「志をもって生きよ」