とことん興味をもつ
アイデアハンターの第一のルールは、身の回りの出来事に興味を持つことである。興味を持つことは、興味を持たれる人間になることとは違う。
頭の良い人ほど優れたアイデアを思いつきそうなものだが、そうした人たちは自分の賢さを過大評価し、自身の成功の方程式に固執し、もっと優れたアイデアのために狩りに出かけることをしない。
どんな分野でも関心を広げ、知的好奇心を持ち続けることで、アイデアを手に入れることができる。好奇心旺盛な人物というのは、常に驚きを求めている。そして、それを進んで受け入れ、何かを学ぼうとする。このような姿勢を持つと、ものの見方は大きく変わる。好奇心があれば、いろいろなことを当たり前だと思わなくなるからである。
まず必要なのは、アイデアを求めて自分の枠から出ること、アイデア探しを自分の頭の中だけにとどめないこと。アイデアのほとんどは自分の外にある。
間口を広げる
最高のアイデアを見つけたいと思うなら、様々なルートを歩く必要がある。すなわち間口を広げることである。多様性は、他の人とは違った「引出し」を与えてくれる。ありきたりの場所だけでなく、様々な情報源から新しいアイデアを手に入れること。
最も重要な情報は、ある人物がふだん接触する人々のネットワークの外から「弱い絆」を通じてもたらされる可能性が高い。弱い絆の相手は、ある事柄に対して自分と全く違う見方をする可能性が高く、それは知識やアイデアを豊かにしてくれる。
トレーニングを欠かさない
プロフェッショナルには知的なトレーニングが欠かせない。「アイデア筋」を鍛えるのである。優れたアイデアハンターは、緊急の問題に直面してから初めてアイデアを探しはじめるようなマネはしない。彼らにとって「狩り」は習慣として継続的に行うものである。
「狩り」の習慣は、意識的かつ体系的にアイデアを探し続けることで身に付く。学習のための時間を毎日確保する、自分がふだん接触するネットワーク以外の人々と話す機会を見つける、アイデアが生まれやすいとされる場所に身を置いてみる。アイデアハントについては、才能よりも行動の方が大切である。
「狩り」の習慣の基本となるのは「観察」である。そもそも何を観察するかをきちんと意識することが大切である。観察の仕組みや枠組みを整えれば、価値あるアイデアが生まれやすくなる。
しなやかさを保つ
アイデアハントの目的は、アイデアを起動し、それが広がりを持ち、熟し、他のアイデアとぶつかったり組み合わさったりすることで発展するように仕向けることである。このようにして最高のアイデアが生まれる。
最初は評価することすら難しい奇妙な思いつきであっても、その成否は他のアイデアが飛び交っている場所に置くかどうかで大きく変わってくる。