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2012/11/18更新

あたまの地図帳: 地図上の発想トレーニング19題

207分

4P

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不思議な発想トレーニング

「特に目的を持たず、自由に頭の中の地図・地理の中を歩いてみる」を趣旨として、地図・地理をどういう思考で見るかを紹介している本。

地図を見ると行っても、逆さにしたり、方角に注目したり、宗教やルーツを考えてみたり、類似や差異に着目したりと、様々な方法がある。

19個の思考法で、新たな発想のヒントが得られるかもしれません。

超短要約

■経路
「経路」には「早い」「快適」「幸せ」「野性的」など、様々な選択肢や価値基準がある。僕たちは、それらを発見し、あるいは選択している。この思考法の最大の収穫は「早い」ばかりに目を向けるべきでないということ。

■目印
道しるべを見つけ、そうすることによって、未知を既知に転換する発想を「目印」と名付ける。頭の中を歩くにも自分の頭の中に「目印」があれば便利だし、「目印」を手掛かりに目的地に辿り着ける。つまり、思い出せる。

「目印」が発生しやすい環境をつくるには、「汗をかく」「恥をかく」「字をかく」こと。いずれも記憶が鮮明で良好になる。

■交差点
交差点はどれ一つとして同じものが存在しない。交差点とは、道と道とが一瞬交わる・出会う貴重な場所であり、だからこそ「目印」にもなり、道案内でも便利であるということ。

いつも同じような予感や理解をもとに仕事をしていると、似たり寄ったりの「交差点」しか生まれてこない。対策として、自分の予感や理解、考え方の「クセ」を自覚すべきである。自分の感受性や理解の仕方がどんな「方角」に偏りがちかを意識していく。意識して普段と違う「立場」に立つ、すると、どこかで従来の僕の予感とぶつかる時がくる。

■探索
「探索」と「検索」は違う。「検索」という行為は、最初にキーワードを打ち込むので、そのキーワード以外に発想が広がりにくい欠点がある。知りたいことにだけ行き着く。他方、「探索」は落ち着いて、まずは手掛かりをどう探すかに集中する。

「探索」の醍醐味の1つは、ジャンルを変えること。例えば日本史の文献を探す際に、歴史ではなく美術史から「探索」してみたりする。

■類似
積極的に「似たもの」に目を向け、その由来を調べるのは面白い。「似たもの」を見つけること、「似たもの」の中身を探ること、そこから派生して「似たもの」に潜む大きな違いや細かな差異を見つけること。それだけでも、かなり長時間、頭の中を歩き回ることができる。

■限定
「限定」は、人によって大いに異なり、何に「限定」するかで各人の個性が現れてくる。「限定」という思考法は、何かを発見するためというより、目的もなく何かと向き合うことをただ楽しむ際のものである。「限定」は、「ストーリー」づくりにも有効であり、脱線防止にもなる。

著者 下東 史明

1981年生まれ。博報堂 第一クリエイティブ局 コピーライター 明治大学・非常勤講師 大学卒業後、博報堂入社。主な仕事に、アサヒMINTIA「俺は持ってる。」、マンツーマン英会話GABA「ハイ、そこでGABA」、アサヒ一本満足バー「マンマン満足」、イエローハット・テレビCM、サントリー胡麻麦茶「高橋克美さん」キャンペーン、逆流性食道炎啓発「食道捜査官・筧利夫」。 主な受賞暦に、TCC新人賞、TCC審査委員長賞、TCCファイナリスト、カンヌ広告祭・U28日本代表選出、日経広告賞、JR東日本ポスターグランプリ金賞など。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
まえがき p.4 1分
1 凝視 その先の一点を見据える。 p.6 9分
2 立場 普段立たない、新しい視界へ。 p.20 9分
3 方角 どこにいるか、どこに行くべきかを把握する。 p.34 10分
4 争点 なぜ争う、を知る。 p.50 11分
5 宗教 深く知るとは、バックボーンを知ること。 p.68 7分
6 ルーツ 元々どこから? そしてどこへ? p.80 12分
7 ストーリー 物語ることで記憶は強まる。 p.100 7分
8 2位 全体まで一気に俯瞰する。 p.112 6分
9 スケール 見かけ通りと見かけ以上。 p.122 12分
10 距離 実感できれば勝ち。 p.142 9分
11 経路 道も人生も、どう進むか。 p.156 9分
12 目印 街の中にも頭の中にも、道しるべがある。 p.170 10分
13 交差点 交わって生まれるもの。 p.186 7分
14 探索 手がかりと答えは違う。 p.198 6分
15 整列 美しく把握する、美しく知る。 p.208 6分
16 類似 浮き彫りにする。 p.218 10分
17 差異 似たものだけれど、似てないものから学ぶ。 p.234 6分
18 志向 井の中から出るために。 p.244 6分
19 限定 1つに絞って楽しむ。 p.254 6分
あとがき p.264 2分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

「日本」とは何か 日本の歴史00 (講談社学術文庫) 「日本」とは何か 日本の歴史00 (講談社学術文庫)
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