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2012/10/13更新

僕たちがスタートアップした理由

160分

2P

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スタートアップの今がわかる

現在、日本の若者の間で起業が増えている。彼らはなぜ起業するのか?どういう動機があって起業しているのか?お金がなくても起業できるのか?

これらの疑問に答えてくれる1冊。現在の日本とシリコンバレーのスタートアップ事情が細かく取材されており、起業したい人だけでなく、業界関係者にも参考となる内容になっている。


■シリコンバレーでは、今何が起きているか
シリコンバレーのベンチャーキャピタルの1つFenox Venture Capitalでは、2011年の1年間だけで約8000件の投資案件が持ち込まれ、その内約380件の投資審査を行い、最終的には10社に投資したという。シリコンバレー全体では毎年数万社が起業すると推測されている。シリコンバレーの凄さは、このスタートアップの多さにある。

シリコンバレー企業の人材とアイデアの多くを提供しているスタンフォード大学の教授は「起業家になる奴が一番偉い」と学生たちに教える。「もしだめだったら、大成功すると判断した会社に、従業員番号1ケタで入れ」と言う。シリコンバレーの就活では「起業するか、零細企業か」、大企業を志望する日本とは逆で、若者は未来に投資する。この差は半端ではなく大きい。

超短要約

日本の創業経営者には「経営道」を修行僧のように追求するタイプの経営者が多い。「経営道」をわき目もふらず突き進んでいる。経営を登山に例えて、高い山に登ることだとすると、彼らは「スーパーアルピニスト」だといえる。

一方、高い山に登るには「チームアタック」という別のアプローチがある。有能なプロフェッショナルがチームを組み、組織的かつ効率的に目的を達成することが大切だという考え方である。GoogleもFacebookも、この方式で急成長した。

起業成功への道には、どちらを選べば良いか問題だが、日本にはシリコンバレーのようなチームアタック方式が成立するような仕事文化がない。その背景にあるのが、新卒一括採用というシステムである。大企業の終身雇用こそ最良という幻想である。

しかし、この1、2年、シンプルに「やりたいことをやる」ためにバックパッカー型の起業をする若者が増えている。バックパッカー起業家が出てくることは、日本の就業環境を変え、スーパーアルピニストかチームアタックかという2項対立的発想を越えていくかもしれない。

MOVIDA JAPANでは、若者たちのスタートアップを支援し、起業に関わるエコシステムを作り上げるだけでなく、「起業と企業に関する日本型システム」を変えていきたいと考えている。その考え方の道筋は次の6つ。

①小さいニッチ市場で花を咲かせられれば、それはそれで社会的役割を果たしているので良い。

②山が険しいから登らないのではなく、とにかく登ってみる。そういう起業があっても良い。

③企業には社会に役立つ「旬」の時期があって、その「旬」に社会貢献できれば、その時期が過ぎた企業は終了しても良い。

④バックパッカー起業なら、起業の数が圧倒的に増える。トライアルの数が増えれば、スーパーアルピニストやチームアタッカーも生まれてくる。

⑤起業コミュニティが広がれば、失敗した起業家の行く先ができ、セーフティネットができる。

⑥スキルやノウハウを若い起業家に継承できる。

著者 MOVIDA JAPAN 株式会社

スタートアップ企業への投資および育成を行う会社 2009年5月設立。「2030年までにアジアにシリコンバレーのようなベンチャー生態系をつくる」をミッションに、スタートアップ企業への投資および育成を専門とするシードアクセラレータとして活動している。 代表の孫泰蔵氏は、ソフトバンク孫正義氏の弟にあたる。学生起業家として活動し、日本最大級のオンラインゲーム会社ガンホー・オンライン・エンターテイメントを創業。2005年には株式市場への上場を果たした実績を持つ。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
まえがき p.2 2分
1 なぜ彼らはスタートアップの道を選んだのか p.14 19分
2 バンド感覚のカジュアル起業ってなに? p.48 21分
3 シリコンバレーでは革命が起きていた p.84 31分
4 日本を変えるバックパッカー起業ってなんだ? p.138 16分
5 世界を変えるにはどうすればよいか? p.166 15分
6 僕たちの「仕事」はどう変わる? p.192 11分

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