グーグルで『Google+』の開発に携わった後、フェイスブックに移籍し、ブランドデザインの責任者を務める著者が、ソーシャルウェブのクチコミの構造を説明。これからのマーケティングで重要なことを紹介している。
■ウェブは人を中心にした構造へと変化する
ウェブが人を中心にした構造へと変化することは、もはや止めることのできない流れといえる。ウェブは人々を結び付けるものに変わろうとしている。ウェブ上で成功するためには、企業は変化の裏側に人々のどのような行動が隠されているのかを理解すると同時に、なぜ人中心型に再構成されつつあるのかを理解する必要がある。
人々が情報を共有するのは、それによって生活が楽になったり、人間関係を築くことができたり、他人からどう見られるかをコントロールできたりするためである。私たちが行うコミュニケーションの80%は、5〜10人程度の親しい友人たちとの間で生まれている。
一人の人が抱えているソーシャルネットワークの規模は、大きくない。最も自分に近い親しい人々は5人程度であり、次に親しい人々は15人程度、ある程度定期的に会うような人々は50人程度、なんとか関係が維持できているのは150人程度。そしてかろうじて誰だかわかるというぐらいの緩いつながりは500人程度である。
また多くの人々は、メンバーが10人未満のグループを4〜6つ抱えており、それらの間でメンバーがかぶることはほとんどない。この「友人グループがいくつもつながっている」という構造は、情報が拡散する際に欠かせないものであり、重要な概念である。
著者 ポール・アダムス
Facebook ブランドデザイン責任者 プロダクトデザインおよびユーザーエクスペリエンス・デザインの専門家。工業デザイナーとしてダイソンなどのメーカーで勤務した後、デザイン会社フロー・インタラクティブでユーザーエクスペリエンスのコンサルタントを務める。その後グーグルに入社、GmailやYouTubeなどのサービスを担当する一方で、ソーシャルメディアに関する研究を主導。その成果は同社のSNS「Google+」のサークル機能として具体化されることとなった。 2011年1月にフェイスブックに移籍し、現在はブランドデザイン部門のグローバル責任者を務めている。
デジタルマーケターが読むべき100冊+α ネットイヤーグループ代表取締役兼CEO 石黒 不二代 |
デジタルマーケターが読むべき100冊+α 2回目 NHN Japan ウェブサービス本部 シニアマネージャー 矢嶋 聡 |
デジタルマーケターが読むべき100冊+α 3回目 経営コンサルタント 小林 啓倫 |
tokuriki.com 徳力 基彦 |
TOPPOINT |
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 06月号 [雑誌] インフォバーン代表取締役 小林 弘人 |
PRESIDENT WOMAN VOL.4 (プレジデント8.7号別冊) (プレジデント ウーマン) ソーシャルメディア研究所代表 熊坂 仁美 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 変化するウェブ | p.13 | 11分 | |
第2章 人々がコミュニケーションをとる理由と方法 | p.35 | 13分 | |
第3章 ソーシャルネットワークの構造が与える影響 | p.61 | 16分 | |
第4章 人間関係が与える影響 | p.93 | 15分 | |
第5章 インフルエンサーという神話 | p.123 | 11分 | |
第6章 周囲の環境が与える影響 | p.145 | 12分 | |
第7章 脳が与える影響 | p.169 | 12分 | |
第8章 先入観が与える影響 | p.193 | 11分 | |
第9章 ソーシャルウェブにおけるマーケティングと広告 | p.215 | 14分 | |
結論 | p.243 | 7分 |
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則(ソフトバンク文庫) [Amazonへ] |