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2012/10/21更新

「テンパらない」技術 (PHP文庫)

151分

2P

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心に余裕をなくしているアナタへ

精神科医である著者が、「テンパらない」方法を伝授。テンパった時の応急処置から、テンパらないための生活習慣、心の持ち方がわかりやすく紹介されている。

普段、仕事などに追われて、心に余裕をなくしている人向け。


■テンパり続けるとパフォーマンスが下がる
「テンパる」とは簡単に言うと「目一杯の状態になる」ということ。「テンパって」くれば、仕事は雑になってしまい、締め切りも危なくなってくる。集中力も落ちてしまい、効率化からほど遠くなる。

「テンパる」メカニズムは、周りのプレッシャーとスピードに、脳も心も身体も疲れてしまい、消耗してしまうこと。適度なストレスは、克服していく作業により、人間的な成長、発展を促す。一方、過度のプレッシャー、合わない人間関係、睡眠不足などのストレスで追い込まれすぎてしまうと、脳が疲れて余裕を失い、本来の能力や人間らしさまで奪われてしまう。

脳と心が余裕を失うとは、思考力や注意力、感情コントロール能力の低下を意味する。「何をしでかすかわからない」衝動性も高まってくる。イライラ、怒りっぽい、不機嫌といったネガティブな感情も強くなる。

「テンパらない技術」を知っておけば、全く「テンパらない」聖人君子になるのはムリかもしれないが、「あまりテンパらない人」にはなれる。

超短要約

■「テンパらない人格」をじっくり育てる法
①手本にする「メンター」を持つ
リスペクトできるリアルな人物を「メンター(師)」として持っておく。公私にわたって頼れる、ちょっと「甘えられる」先輩がいれば、たとえ職場が別になったとしても、時には会って旧交を温めておく。

②「新しい経験」を恐れない
見知らぬことに手をつける、知らない人との交わりに顔を出すなどといった行動は、不安と緊張を伴う。しかし、不安や緊張が強いほど、克服した時の喜びや達成感は格別なものがある。実際に「テンパる」経験が、脳に記憶モデルとして刻み込まれ、次の似たような場面の時に「テンパらない」ようにフィードバックがかかる。

③「想定外」を引き受ける
「テンパらず」に乗り切るには、「想定外」を引き受ける度量の広さが、求められる。予想外のことが起こった危機的状況の時こそ、人間性を問われるタイミングである。

④まじめな「愛されキャラ」を目指す
周囲からの温かいまなざしを得るには「愛されキャラ」になるように努力すること。第一に愛想を良くする。さらに自分の失敗談を楽しく話すことができれば「愛されキャラ」に大きく近づける。自慢話や説教はNG。そして重要なことは「まじめ」であること。

⑤「悪い完全主義」を捨てる
完全主義には「テンパってしまう」落とし穴も隠れている。完全主義がオーバーになると、自分をどんどん追い込んでいくことになる。失敗を怖れず、「不完全を認める」スタンスが、不健康な完全主義から脱するポイント。

⑥倫理観を一段だけ下げ、「プチいい加減」になる
他人を受け入れる事のできない余裕のなさが、「テンパり」に拍車をかける。あまりに倫理観が強すぎると、怒りのエネルギーが大きくなってしまう。ちょっとだけ「いい加減」になることで、包容力、寛容性が身に付けば、人気者になれる可能性がある。

⑦「ゼロリスクなどありえない」ことを頭に入れておく
「100%安全じゃないと嫌だ」と頑なに考えていては、リスクに直面した時に「テンパる」のは確実である。

⑧子供やお年寄りと触れ合う時間を作る
子供に接することは、「いいテンパり」の基礎練習になりえる。

⑨「仮説」を立てる力を養う
「テンパらない」コツの一つとして、「思い込み」ではなく、「仮説」という思考のスタイルを取り入れることがオススメ。仮説はあくまで、間違っている可能性もあり、考え直すことができる。硬直化した考えに予想外のことが起こると「テンパって」しまいやすくなる。

⑩他人の「冷静なアタマ」で考えてみる
自分とは別の、架空の冷静沈着な人を想像して、彼ならばどう振る舞うかを、イメージする。

著者 西多 昌規

1970年生まれ。精神科医 自治医科大学精神医学教室・講師 国立精神神経センター病院、茨城県立友部病院で精神科臨床に従事したのち、2005〜2007年までハーバード・メディカル・スクールの研究員として、睡眠と記憶、情動、脳機能について研究。 2008年より東京医科歯科大学大学院精神行動医科学分野助教。2011年より現職。 専門は、うつ病など気分障害を中心とした臨床精神医学、睡眠医学、脳波を用いた精神生理学 日本精神神経学会専門医、睡眠医療認定医など、資格多数。スリープクリニック銀座でも診療を行うほか、企業の精神科産業医として、メンタルヘルスの問題にも取り組んでいる。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
まえがき p.3 2分
第1章 テンパると「人生を台無し」にしてしまう!―その「危険性」と「ダメージ」 p.15 16分
第2章 なぜ人は「テンパってしまう」のか?―その「科学的メカニズム」 p.49 16分
第3章 テンパってしまったときの「応急処置」 p.83 15分
第4章 テンパらないための「生活習慣」 p.115 16分
第5章 「テンパらない人格」をじっくり育てる法 p.149 16分
第6章 周囲をテンパらせない「コミュニケーション術」 p.183 11分
第7章 テンパっても成長できる「ポジティブ反省法」 p.207 13分

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