paperboy&co.を上場させた起業家の家入一真氏の半生記。貧乏、ひきこもり、高校中退、両親の離婚、父親の借金、出社拒否。様々な苦労を重ねながら、成功するまでの物語が描かれている。
泣けて笑えて、生きることに勇気を与えてくれる1冊。
■貧乏な家に生まれる
父親は自営の運送業、母親は主婦業のかたわら化粧品の訪問販売の仕事。八畳の居間と六畳の子供部屋、洗面所を兼ねた台所、汲取式の便所。狭い家に家族5人で暮らす。ご馳走はお茶漬けの素で食べるお茶漬けだった。
■中学時代に学校で孤立する
中学2年生の夏、当時仲の良かった友達を悪ふざけのつもりで、からかった事がきっかけで絶交。学校で孤立する。友達との接し方がわからなくなり、家族に隠れて鏡の前で何度も繰り返し「笑顔」の練習を始めた。
■高校を中退する
中学で孤立し、勉強以外にやることがなく、結果、近所でも難しいとされる県立高校に合格。一からやり直そうとするが、人付き合いのブランクから、一人も友達を作れずに孤立。登校拒否児になる。
二学期が始まり、両親から説得され、体育祭に行くことになるも、当日不安にかられる。トイレの窓から校舎の外へ抜け出し、フェンスを登り逃亡。その後、両親への罪滅ぼしの気持ちから、再び学校に通うも、やがて休むようになり、一年が終わるのを待たずに高校を途中退学することになった。
「あんなふうになりたい」「こんなことをしたい」僕たちはいつだってそう思う。でも、思ったことを思ったように実現するのには計り知れない根気と、努力と、そして強い運が必要で、ほとんどの人は、そう思うように上手くはいかない。数え上げれば切りのないほど、「こんなはずじゃなかったのに」の連続だ。だけど、それでいいじゃないかと思う。
ハードルが立ちふさがれば、方向転換したっていい。恐そうなものがあれば、逃げればいい。決死の覚悟でぶつかって、予期せぬ方向に弾かれたっていい。
その先でこそ出会うことができた「ちょっと良い物」を一つ一つ取り込んで、とりあえず転がってみる。右往左往しても、ちっとも前に進まなくても、懸命に塊を転がす、人間一人ひとりの営み。そうしてでき上がった僕の塊も、辿ってきた回り道ばかりの足跡も、改めて考えれば、案外捨てたもんじゃなかったんだなと思えるのだ。
著者 家入一真
1978年生まれ。パーティカンパニー代表取締役社長 paperboy&co.創業者 中学2年から高校3年まで、押入れを改造した自室にひきこもる。その後、深夜のパン工場アルバイトや新聞奨学生を経て、起業を決意。 レンタルサーバー「ロリポップ!」、「ブクログ」、日本のクラウドファンディングを牽引する「CAMPFIRE」、など、数々のサービスを立ち上げる。 JASDAQ最年少上場社長。プロジェクトごとに集まる新しい働き方を提唱するLiverty代表。
帯 ジャーナリスト 津田 大介 |
帯2 ジャーナリスト 佐々木 俊尚 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ | p.2 | 5分 | |
第一章 貧乏な家に生まれて | p.11 | 14分 | |
第二章 「ひきこもり」だったあの頃 | p.35 | 26分 | |
第三章 長いトンネル | p.81 | 31分 | |
第四章 起業前夜 | p.135 | 33分 | |
第五章 ペパボ黎明期 | p.193 | 52分 | |
エピローグ | p.283 | 3分 |