景気が良くなっても、所得は増えず豊かにならない。経済のグローバル化により、人件費の安い新興国と競争せざるを得ない先進国では、かつてのような給料の伸びを期待できない。
スクリューイング(中間層の貧困化)とインフレーションは、日本でも起きており、今後確実に中間層を脅かし、日本から中間家庭が消えると警告する。
これからの厳しい時代における心構えを説いている本。大切なことは、スクリューフレーションという大きな流れを知り、自分にも影響を及ぼすと認識することで、何ができるかを考えることだとしている。
スクリューイング(中間層の生活水準の低下)+インフレーション=スクリューフレーション
経済がグローバル化した時代、たとえ日本の景気が良くなったとしても、新興国との間に大きな賃金格差がある以上、かつてのような給料の伸びは期待できない。
さらに新興国の成長に伴い、食料、エネルギーの需要が増え、生活必需品の物価が上がる。
こうしたスクリューイングの影響は、すでに日本でも起こっており、今後中間層に打撃を与える。厳しい状況は今後10年は続くと覚悟しておく必要がある。
著者 永濱利廣
1971年生まれ。第一生命経済研究所主席エコノミスト 1995年第一生命保険入社。1998年4月より日本経済研究センター出向。2000年4月より第一生命経済研究所経済調査部副主任研究員、2004年4月より同主任エコノミストを経て、2008年4月より現職。 景気循環学会幹事、国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、一橋大学・跡見学園女子大学非常勤講師、総務省家計調査等改善検討会委員等
日本経済新聞 |
TOPPOINT |
週刊 東洋経済 2012年 9/22号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ 「スクリューフレーション」とは何か | p.13 | 10分 | |
第1章 世界経済の低迷―その原因は | p.29 | 19分 | |
第2章 日本経済は復活するのか | p.61 | 14分 | |
第3章 「新興国」「途上国」のインフレ、人件費上昇、都市化 | p.85 | 11分 | |
第4章 忍び寄る「スクリューフレーション」 | p.103 | 12分 | |
第5章 日本から中流家庭が消える日 | p.123 | 18分 | |
第6章 「スクリューフレーション」を生き抜く日本経済 | p.153 | 17分 | |
エピローグ スクリューフレーション時代の心構え | p.181 | 4分 |