長期の利益を目標にせよ
経営者の職務とは主に、自分の管理する人々が素晴らしい成果を達成できるよう助けること。重要な決定を下したり大きなリスクを冒す際には、従業員を頼りにすることである。そのため、彼らが自分の能力を開拓できるような職場環境を整えなければならない。
ニューコアの流儀は、会社の人間をばらばらにしかねない利己的で短期的な利益の先へ目を向けることであり、みんなを団結させる相互の長期的な利益に焦点を合わせることである。
意思決定は現場に任せろ
集権化か分権化かを決めかねている企業は多い。マクドナルドやウォルマートなど場所を問わず均一な営業が求められる企業は、集権化された意思決定によるアプローチの方が賢明である。一方、多様な市場に対応する企業や場所によって条件が異なる企業は、現場の人々が決定を方向づけるのが一番である。こうした企業は、業務と意思決定の権限を細分化して、現場の従業員への権限委譲に努めるべきである。
ニューコアでは全責任が事業所長にある。自立型の経営を望むなら、従業員とのきずなを維持した方がよく、従業員とのきずなを維持したいなら、誠実かつ持続的に取り組む態勢を整えた方がいい。そして、権力を握る者は、謙虚でなくてはならない。
経営者と社員を平等に扱え
企業が長期にわたって競争していくためには意欲のある従業員が必要であり、平等主義の文化は従業員の意欲を保つ非常に実際的な方法である。
マネジメント階層のトップにいる人たちは、その階層によっておとしめられている人たちの意欲をかきたてるために、何百万ドルもつぎこむ。しかし、経営陣と社員との差を最小限にするだけで、ずっと高い効果が得られる。
階層構造を打ち砕くための鍵は、従業員の問題に耳を貸すことと、情報を共有することである。平等、自由、相互の敬意が、意欲をかきたて、自発性を刺激し、継続的な改善を促進させる。ニューコアの成功要因は、文化が70%、技術が30%。文化こそが競争上の優位をもたらす最大の要因である。
職場環境を整えよ
改善したい、達成したい、貢献したいという欲求は、万人に共通している。もとから無感動な社員などほとんどいない。ただ、環境によって無感動になるよう条件づけられることはある。多くの経営者は自分のことばかり考え、環境の影響力には目もくれない。
みんなが幸福になり、もっと繁栄するためには、経営者や管理職ではなく社員こそ進歩のエンジンであると認め、管理職は社員がどんどん業績を伸ばせるような環境づくりに自らのキャリアを捧げることである。