前アップル日本法人代表の著者が、自分をイノベーションするための方法を紹介している。前半は、著者がアップルに入社し、日本においてiPod miniのマーケティングを成功させた話を中心にイノベーションの大切さを説く。後半は、自分自身をイノベーションさせるための心構えについて書いている。
■イノベーションのために捨て去ること
ソニー、パナソニック、NECなど、日本企業とそこで働く日本人が、魅力ある価値を生み出せなくなっている。その理由は、セルフ・イノベーションしなくなったからである。イノベーションのためには、長年染み付いた常識や意識を疑い、きれいに排除する必要がある。
①「会社に行けば給料がもらえる」という前提
②「社内事情」という幻想
③「技術立国」というプライド
④「現状維持」という安心感
⑤「多様なニーズに応える」という甘え
⑥「代案、提案なし」の文句
⑦「雇われている」という感覚
⑧ロジカルシンキングとマーケティング
■Connecting the dots
ビジネスを成功させたいという場合、3つの要素が必要になる。
①求められていること
②自分にできること
③他人がまだ気づいていないこと
この3つの中で最も困難なのが「他人がまだ気づいていないこと」。これを見つけ出すのに有効なのが、他人と違う見方。そのために大切なことが「発散」と「収束」である。
発散とは、効率を気にせず、あらゆる方向に感性を伸ばすこと。一見無駄と思えること、関係がなさそうに見えることにも関心や観察力を向け、人が気づいていない、あるいは感じていない情報を集める。その中で、価値を見出すと、今度は今まで得た情報を価値に向かって関連づけ、結合し、収束していく。
多くの点が、線につながる瞬間「Connecting the dots.」は必ず訪れる。
著者 前刀 禎明
1958年生まれ。株式会社リアルディア代表取締役社長 前アップル日本法人代表 ソニー、ベイン・アンド・カンパニー、ウォルト・ディズニー、AOLを経て、1999年に株式会社ライブドアを創業。2004年、日本市場で低迷していたアップルをたて直すべく、米国Apple マーケティング担当ヴァイス・プレジデントに就任。同年、アップル日本法人代表取締役を兼務。 2007年、ビジネスパーソンから子どもまで、「明日のジョブズを輩出する」ための 人材教育会社 リアルディアを設立し、創造的知性を高める五感教育プログラムを 提供するREALDEAR INSTITUTEなどを運営。
TOPPOINT |
週刊 ダイヤモンド 2010年 8/28号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経トップリーダー |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2012年 11月号 [雑誌] 作家 美崎 栄一郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序章 | p.3 | 14分 | |
第1章 本当の「価値」とは何か? | p.39 | 21分 | |
第2章 僕がスティーブから学んだこと | p.79 | 24分 | |
第3章 なぜ、人は変われないのか? | p.125 | 24分 | |
第4章 人々の想像を超えてゆけ! | p.171 | 21分 | |
第5章 感性を磨く7つのトレーニング | p.211 | 13分 | |
第6章 セルフ・イノベーションを加速する方法 | p.235 | 18分 | |
終わりに | p.271 | 4分 |
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法 [Amazonへ] |
「今の人生のままでいいの?」セルフ・イノベーションするために考えるべき6つのこと
http://kosstyle.blog16.fc2.com/blog-entry-1853.html
2012-06-20
|