革命的な商品を作り出す
革命的な商品は発売が早すぎるからといって失敗しない。失敗するとしたら、それは迅速に改良できなかった時である。一つのアイデアから商品ができるまでのプロセスは次の通り。
①既存商品の欠点を見つけ、それを大きく改善する
②直感にしたがう。人は今ある商品の改善以外のアイデアをめったに思いつかない
③自分が使いたいものを設計する
④まずプロトタイプを作る
⑤ホームランより塁に出る。ビジネスで生き残ることに集中し、チャンスを待つ
⑥反対論者(顧客、市場調査、批評家、同僚、競争相手)を無視する
⑦勇気をもって、ガッツでいく
革命的な商品を改善する
商品を発売した後は、商品をいち早く使いはじめた人たちの声を聞き、参考にしながら改善していくべきである。
①初めて市場に出した商品は完全ではない、という厳しい現実と向き合う
②早めに失敗して、商品を修正し長生きする
③自分の商品をみずから使い、改善の緊急性を体感する
④商品を改善する方法を組み込んでおく
⑤買わない人ではなく、買ってくれる人のために商品を改善する
⑥まちがいを隠そうとせず、信頼を得る
キャズムを越える
商品をより幅広い人々に使ってもらうには、多くの人々にとって利用の妨げとなっているバリアを壊し、すでに成功を収めているニッチ市場で支配的な地位を占める必要がある。ニッチ市場を支配できれば、商品は臨界点を越え、なんの抵抗もなく人々に買ってもらえるようになる。
革命の行く手には、無知、惰性、複雑、販路、価格という、前進を妨げる5つのバリアがある。バリアを壊すには次の方法がある。
・商品やサービスを試用してもらう
・バリアを作りそうな人々(批評家等)に、商品の改善に協力してもらう
・図々しいポジショニングで人々にショックを与え、認識してもらう
・流行に乗る
・小さな顧客セグメントに集中する
・小さな顧客セグメントを新しく作る
エバンジェリストの生み出し方
アップルは何万人というエバンジェリスト(自分が信奉する製品を、他人に勧めて広めようとする人)がいたため、世界中で成功した。革命の最初の90%は、商品を生み出すこと。次の段階の90%は、それを伝道すること。革命の初期には、売上ではなく、ニュースを広める力を持つエバンジェリストが不可欠である。エバンジェリストが生まれる過程は次の通り。
①商品の特徴となる「事実」(デザイン、スペック等)に感情(意味)を加える
②売り文句をいくつか用意し、それぞれ短く説明し相手がどれに共感するか観察する
③どんどん商品を使ってもらい、思ってもみなかった使用法を編み出してもらう
④流れに逆らわない
⑤初期の顧客が簡単に踏み出せるステップを用意する