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2012/08/24更新

円のゆくえを問いなおす: 実証的・歴史的にみた日本経済 (ちくま新書)

209分

4P

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円高は、日銀による政策の失敗が原因だ!

過去から現在までの各国の経済政策を分析し、なぜデフレと円高が止まらないのかを説明している。円高の原因は何か、なぜ為替介入は効果がないのか、日銀の量的緩和政策がなぜ有効に機能しないのか、といった内容を説明しており、為替について基本的なことが学べる1冊。


■円高は深刻化している
2012年1月時点をリーマン・ショック直前期と比較した場合、23.8%の円高が進んでいる。通貨高が生じているのは豪州、ブラジル、カナダ、中国、インド、インドネシア等だが、これらの国と比較して突出している。

しばしば実質実効為替レートの動きから円高は深刻でないという議論がされる。しかし、名目実効為替レートは過去最悪の水準にあるため、実質実効為替レートの動きがマイルドであるのは、日本が貿易相手国と比較して物価上昇率が低く、かつデフレであることが原因。円高という対外要因ショックを、デフレという形で国内経済において調整していることを意味する。この事から、円高は深刻と言える。

超短要約

①過去の推移との比較、同時期の各国通貨の動向比較でみて円高は深刻化している。
②最近の円高は、欧米諸国の経済不安に基づくドル安、ユーロ安というグローバルな要因が主因ではない。
③円高は自然現象ではなく、経済政策、金融政策の結果である。
④円高は、輸出産業の利益を減少させ、企業の海外調達促進、研究開発拠点の海外移転を進めるという空洞化につながる。
⑤デフレと円高は日本経済に悪影響をもたらす。
⑥深刻な円高とデフレが続くのは天災ではなく、政府と日銀による政策の失敗が原因である。

著者 片岡 剛士

1972年生まれ。三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部主任研究員 専門は応用計量経済学、マクロ経済学。

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早稲田大学政治経済学部教授 原田 泰
日経ビジネス 日経ビジネス

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.7 2分
第1章 円の暴騰と日本経済 p.11 19分
第2章 円高の原因は何か p.43 22分
第3章 為替と経済政策を問いなおす―金本位制から固定相場制へ p.79 34分
第4章 為替と経済政策を問いなおす―変動相場制以降 p.135 31分
第5章 デフレと円高を止めるために何をすべきか p.187 42分
おわりに p.257 8分

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