なぜマッキンゼーは志士を輩出できるのか
高い志をもって活躍しているマッキンゼー卒業者は枚挙に暇がない。マッキンゼーに入社するのは新卒入社だと年10〜20名、中途入社を入れても30名程度。にもかかわらず、多くの「志士」を生み出している理由は次の通り。
①自信
マッキンゼーで何年か働くと「会社に頼らずとも志に向けて戦っていく」自信が芽生える。毎晩、真夜中、時には朝まで働くという厳しい環境で働くからこそ、圧倒的なスピードで成長できる。
②価値観のマインド・コントロール
マッキンゼーのコンサルタントは会社の売上や利益を気にする必要はない。プロジェクトの中で自分がどれだけバリュー(価値)を生み出し、どれだけインパクトを生み出したのか、だけを気にする。バリューやインパクトを出せないコンサルタントはクビ。非常にシンプルな価値観しか存在しない。
③マッキンゼーの懐の大きさ
例えば採用面接において「数年後にはNPOで働いて世界でインパクトを創りあげたい」と言っても、全く問題視されない。インパクトを出す事が重要なのであって、マッキンゼーの中にいるか外にいるかは重要でない。卒業後にも会社のパーティーに呼ばれるし、困った時には出戻りも許される。そのため思い切ったチャレンジができる。
マッキンゼーの仕組み
マッキンゼーの厳しさを表現する有名な言葉に「UP OR OUT」(成長せよ、できなければ去れ)がある。マッキンゼーにおける成長の尺度はタイトル(職位)であり、万年平社員は決して許されない。
2003年当時の目安では、一番下のビジネス・アナリストからアソシエイトに昇進するまでの猶予が3年8ヶ月。その上位のマネジャー、アソシエイト・プリンシパル、プリンシパルまで各3年。新卒で入社した場合、最大で約13年、年齢的に35歳までには経営陣(パートナー)にならなければならない。
昇進はプロジェクトごとの成績表とそれを統合した最終評価で決まる。これらの評価はパートナーやマネジャーが多大な時間を掛けて厳格に行い、平等性と透明性が存在する。
マッキンゼー式の思考術
①イシューからはじめよ
業務上、何らかの調査や分析を行う場合、以下のように考える。
1:調査・分析で何の質問に答えているかの「クエスチョン」を明確に意識する
2:アクション仮説を検証するためのクエスチョンに絞って答える
3:アクション仮説が、経営にとって重要かという「イシュー」(質問)から考える
「変化」をもたらすアクション仮説が存在しない場合、余計な議論や分析に時間を掛けずにまずは実行する。
②インパクト志向
顧客や会社から支払われているお金以上のバリューやインパクトを出さなければならない。