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2012/08/11更新

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

179分

3P

  • 古典的
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  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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固定観念にとらわれるな

思考する路上生活者たちがまず考えたのは「お金がないと本当に人間は生きていけないのか」ということだった。レイヤーという考え方は、うまく使えば匿名化したシステムに取り込まれずに済むことが可能になる。支点にあるのは、法律や土地、都市。それらをどのようなレイヤーで捉えて暮らすかが問題だ。

疑問を持て

大事なことは、何かに疑問を持ったかということ。それがあれば生き延びられる。今まで生きてきて、一度も疑問を持ったことがなければ、今すぐに企業に走った方がいい。誰かに指示されて生きていこう。

何か「疑問」を持ったらチャンスだ。そこから「問い」にまで持っていく。この「問い」の瞬間こそが「創造」である。

働かないと人間が駄目になってしまう。お金もやはり少しは大事。そう考える人も理解できるが、国民が住宅ローンや車の購入など借金することで経済が発展するという、まったく合理的でない考え方を改めないといけない。僕たちがおかしいと思っていることを本当に態度で示そうじゃないか。

態度経済

自分が実現したい行動を、自らの態度を示すことで実現させる経済の在り方を「態度経済」と名付けた。これまでの資本主義経済ではなく、態度をもとに人々の交易、貨幣の交易を実現する経済。それはまた、路上生活者たちの行動から影響を受けて考え出した経済でもある。

社会を変えようという態度を見せ続ける人間を、社会は飢え死にさせちゃまずいと考え、相互扶助を行い始める。人間には言葉にできない、それぞれの才能がある。それらをもっと高い解像度で認識し、共有し、助け合う。これが態度経済の基本的な考え方である。

「社会を変える」ということは「社会を拡げる」ということである。独自のレイヤーを見つけるだけでは駄目で、それをもとに交易すること。これが社会を拡張する。この過程に、態度経済は潤滑油のように染みわたる。

DIYで政府を作る

人々が必要と感じ、お金を使って産業として公共施設を作るのではなく、工夫をこらしてアイデア満載の公共を自らの空間を贈与してでも作りあげる。これこそが人間の公共精神の姿だ。

この考え方を実践に応用したのが、原発事故後に始めた「新政府」だ。現政府に納得いかないのでDIYで政府を作る。新政府だからと言って、すべての行政を行う訳ではない。担当するのは生存権の死守。お金がなくても生きのびることができる生活圏を作ることである。念頭に置いているのは路上生活者、0円ハウスの生活形態。

新政府の首相官邸は熊本市内坪町にある築80年の一戸建ての家。敷地面積は200㎡。これを家賃3万円で借りた。ここを東日本から逃れてくる人たちの避難所にした。宿泊費0円、光熱費0円。たった1ヶ月で100人以上が避難し、最終的に約60人の人が熊本に移住した。