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2012/08/18更新

カフェという場のつくり方: 自分らしい起業のススメ

  • 山納 洋
  • 発刊:2012年8月
  • 総ページ数:192P

121分

2P

  • 古典的
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自己表現としてのカフェ経営

喫茶メインのお店は、昔と違い、大きく儲かるビジネスではない。ブームによって店舗数が増え、競争が激化したこと、コーヒー豆などの原料価格が高騰したことなどにより、利益を上げるのがどんどん難しくなっていった。数年前には飲食店の生存率は開業3年後で30%、平均寿命が3年と言われていたが、年々進行するデフレ化傾向や不況の影響により、状況はさらに厳しくなっている。

「今、カフェの経営は難しい」と多くの人は気づいている。しかし、近年カフェ開業を目指す人はむしろ増えている感さえある。多くの人が、開業の目的を儲けではなく、自分らしい生き方の選択に置いている。

「やりたいこと」だけでは続かない

不景気が続いている昨今、カフェの廃業も増えている。お店を始めたのに、半年、1年と経たないうちに閉めてしまうというケースも数多くある。その理由は、経済的理由だけではない。多くの店主は、儲からなくてもお店を閉めたりせず、借金したり、外に働きに出たりしながらでも、どうにかお店を持たせようとする。むしろ、店主がお店を続けていくモチベーションを失ってしまった時に、継続を諦めてしまう。

店主がモチベーションを失う要因には、開業後に気づく想定外がある。

①お客さんが来ない
実際にお店がオープンしてからは、お客さんはほとんど来ない。今のカフェでは、フード・ドリンクのクオリティはもちろん、お店の内装や外装、BGM、印刷物などのデザインにもセンスを発揮しないと注目してもらえない。

②毎日同じことの繰り返し
開業後は1日の大半をお店の中で過ごし、会えるのはお店に来てくれた人だけ。お客さんが少ない日が続くと、不安になり気が滅入る。

③長時間労働

④お客さんから受けるストレス
毎日のように来るお客さんから受けるちょっとしたストレスが、じわじわと店主を疲弊させていくことがある。

⑤仲間との共同経営の難しさ
複数オーナーで始めた場合、バンドや劇団が「方向性の違い」で解散するのと同じように、空中分解の可能性をはらむ。

⑥物件オーナーとの契約トラブル

これからのカフェのカタチ

カフェは、誰かと出会い、情報に接し、刺激を受けることで、今まで思いつかなかった何かが生み出される場としての役割も果たし得る。今、カフェをやりたいという人のモチベーションは、「飲食店の経営がしたい」というものと、「人が集える場をつくりたい」という2つに分かれる。

「場づくり」の志向が強い人は、ビジネスとしてのカフェに向いていないが、誰かが経営しているカフェを使いこなすという発想に切り換えれば、比較的簡単にその目的を果たすことができる。カフェの経営環境は厳しいが、カフェをシェアするという発想が、これまで以上に現実味を帯びる時代がやってくる。