注意力を鍛える
EQを伸ばせば、職場において、優れた職務遂行能力、抜群のリーダーシップ、幸せのお膳立てをする能力の3つの技能を発揮できようになる。
EQのトレーニングは、まず注意力を鍛えることから始める。その方法は「マインドフルネスの瞑想」と呼ばれる。これは、「注意」と「メタ注意(注意自体に注意を払う能力)」の2つを鍛える。例えば、何かに注意向けていたとする。いずれ、その注意は別のものへとそれる。しばらくすると、その注意がそれたことに気付く。このメタ注意は、集中力を保つ秘訣でもある。
注意とメタ注意の両方が強くなると、リラックスした形で、心が次第に集中し安定する。練習をすれば、いつでも心をそういう状態にでき、穏やかさと明瞭さ、幸せが自発的に湧き起こるようになる。
マインドフルネスの瞑想
①マインドフルネスの状態でいたいと望む意図を生み出す
↓
②呼吸のプロセスに注意を向ける
↓
③気が散った状態になるが、注意を元に戻す
↓
④自分自身に対する態度を自覚し、自分に対する優しい態度を生み出す
↓
⑤呼吸をたどるところに戻り、意図を思い起こす
最も「やさしい手法」は、単に2分間、穏やかで一貫した注意を自分の呼吸に向けるだけ。まず呼吸していることを自覚し、次に呼吸のプロセスに注意を払う。気がそれるたびに、そっと注意を向け直す。
マインドフルネスを広げる
マインドフルネスの瞑想で最も重要なのは、この恩恵を、座っている状態から人生のあらゆる部分へと広げること。注意は、訓練によって、呼吸以外のものにも向けられるようになる。
マインドフルネスを練習する素晴らしい方法は、他人のためにマインドフルネスを向けること。普通の会話の時、相手に話す時間をたっぷり与え、注意深く耳を傾ける練習をする。
マインドフルネスは運動と似ている。飽きずに練習を続けるようにするには、仲間を作る、めいっぱいやらない、一日ひと息だけやること。
自己統制する
マインドフルネスの練習を重ねれば、自分の内が明瞭になる。そして、自分の情動がただの生理現象に見えてくる。
ネガティブな情動をコントロールするには、次の技能が役に立つ。
①大きな情動が誘発されたことを知る
↓
②一瞬だけ反応するのを踏みとどまる
↓
③心を呼吸に集中する
↓
④情動がどこから来ているのか、よく考える
↓
⑤最後に反応する